一歩進んで半歩戻る僕ら

通話:4.5歩 ページ45

jn「こんばんは！あの、さっき着信くれてたのに出られなくてごめんなさい！シャワー中で」

『こんばんは。私こそ急かしたみたいでごめんなさい。髪の毛乾かしました？』

jn「まだです！」

『わあ元気いっぱいなお返事』



付き合い初めて早数週間。

私達は連絡先を交換してから時々夜の寝る前に1時間程電話して楽しんでいる。

私が退勤しても彼らは練習室に篭もりっぱなしで私が起きる時間に練習が終わったり仕事が終わるなんて事も時々あるし朝は朝で私が使い物にならん。



カトクは次合う予定を擦り合わせたり好きな時間に好きな事を送ったりしている(今日のご飯、見つけた猫、周りの人間の狂った動画等)。




電話は今の私達に相性がいい事が分かってきた。

お互いの時間が揃わないと出られないからカトクみたいに自由な時間に投げる事も出来ないけれど、会うよりもずっと時間も場所も選ばなくて良くて気も張らない。
要は手軽で楽。

何も聞かなくてもマネオッパがジュンさんのスケジュールを横流ししてくれる(職権乱用)のでお誘いもスムーズだし。



そしてジュンさんはリラックスしている時とてもおしゃべりだ。
私と会うとどうしてもまだ緊張して戸惑ったりしどろもどろになったりする事も多々あるが電話だとそれがない。
やっぱり自分の部屋とか家というテリトリーだからだろうか。顔も見えないから緊張しないし。
話す事は尽きないようで楽しそうな声色で話す彼の声だけで私も毎回楽しい。


会えない日が続いても結構充実した生活だ。



『そんな元気に言っても駄目ですよ。ちゃんと乾かして下さい、明日もスケジュールあるんだから体調管理はして』

jn「わかりました…でもせっかく繋いだのに勿体ないって言うかなんというか…」


電話口の声だけで眉を八の字にしてしょんぼりと肩を落とす姿が浮かぶ。相変わらずいじらしくて可愛い人だ。
ほんとに成人済みか？



『切らないでいいですよ。ドライアー放送聞きます。私もストレッチとかするので。
ドライアーって部屋ですか、洗面所ですか？』

jn「洗面所にあったかな…？見てみます！」

『あっ。出る前に他の人が放送してない確認して下さいね！』

jn「はーい！」



普段宿舎で電話する時は誰が他の場所でVライブをしているか分からないし何より本人が電話してるのを聞かれるのも見られるのも恥ずかしいという事で自室でやるよう決めている。

一人部屋、万歳。

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