一歩進んで半歩戻る僕ら

・ ページ28

sc「失礼します。

あの〜こんにちは〜。Aさん居ますか？」

「ん？ああ、クプスや。それにミョンホ。A、お客さん」

『ひえっ』


今1番厄介だと思っていた保護者達、統括と過保護な弟がカチコミしに来た。


お忙しいアイドルにわざわざ出向いてもらったのに無下にして対応しない訳にはいかない。

とりあえずデスクから立ち上がって入口の方へと向かう。






私の姿を近くに捉えた途端、片方はぱあっとにこやかな笑みを浮かべ、片方はじとりと真逆の表情で統括の後ろから顔を出していた。


sc「ああ〜やっぱり貴方だった！書類のやり取りの時初期からお会いしてましたよね！
あとシュアとジョンハンに拉致られてたやつ！俺が同い年なのに集まりに参加出来なかったやつ！」

『嫁との時間取ってすみませんでした…』

sc「え？」


無自覚に95lineの集まりハブにされてた事主張されて心が痛い。この人よく拗ねるって有名だ。
いや、別に来て欲しかった訳じゃないけど。


よくジョンハンが『またクプスが拗ねててさあ〜』とか言ってたなあ。ジスもにこにこしてたし『こいつら悪い奴らだなマジで』くらいにしか思ってなかったけど元凶は私じゃん。



悪友と弟達の手綱握るだけでも大変なのに私にも気を使ってくれるとかほんとに苦労人で良い人だな…。
私も今度なんかこれまでの謝罪も込めて何か送ろう、大容量のお菓子とか。


『あの、今日はどうされたんですか？』

sc「ああ、うちのジュニとお付き合いされるみたいで。これ、菓子折りです。挨拶も兼ねて渡しに」

mh「……です」




おいおいもう1人の彼〜〜〜どう見ても挨拶の顔じゃないだろそれ〜〜〜

いつもの可愛らしい顔つきは何処へやら。


じとりとこちらをさっきから無言で見てくる。
めちゃくちゃ目付きがイカつかった。


日本で一時期からなんてあだ名で呼ばれてるか知ってるか君？




『あの、ここは仕事してる場所なので…廊下でお話しましょうか…』


修羅場の予感。

・→←兄弟

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す