一歩進んで半歩戻る僕ら

・ ページ26

『じゃあ改めて確認ですね。
ジュンさん自体は私とイチャイチャするのに戸惑いはあれど恥ずかしい気持ちが大半で前向きだと』

jn「い、イチャイチャ…Aさんって結構ストレートに言いますよね」

『ジュンさん照れ屋なのでバランスいいと思ってます』

jn「僕もそう思います！」


さて、スキンシップは嫌じゃないという事も分かったので少しずつ様子を見て慣れていってもらうとして。


『少しずつ恋人に慣れるとか、そう言う事に慣れるってのじゃなくて…私に慣れていって下さい。
恋人らしいとかじゃなくて私とジュンさんらしい付き合い方にしていきましょう』



jn「…Aさんは？」

『うん？』

jn「Aさんは、僕とどう付き合いたいですか？なんだか僕の基準で話が進んで、僕の気持ちばっかりを優先してるから」


この人やっぱり鋭いというか、意外と冷静なとこあるな。

話の途中で何か引っかかったら立ち止まって物事を俯瞰して見れるタイプだ。


賢い大人と無邪気な子供が共存してるみたい。
純粋で可愛らしい表情から急に大人の顔を出す。
ほんとに不思議な人。


『…私にもされて嫌なことは人並みにあるので。嫌だったら嫌だってちゃんと言います。だからジュンさんも嫌な事は言いましょう。お互いの為に』

私も若い頃ら最初は好意を伝えるそれに全て応えようとしていたけれど、義務のように思えた途端に疲れてしまった。



『例えば朝は苦手だから朝早くにハイテンションな電話は止めましょうとか』

jn「…朝、苦手なんですね…？」

『起きて30分は頭動かないし誰に何言われても聞き取れ無いですね。多分無言で電話切ります』

jn「ああ…モーニングコール、ちょっと憧れでした。

一方的に掛けて話すだけ話して満足して僕から切りますね…？」

『お願いします』


こうやって少しずつ知っていこう。
歩幅を合わせて、距離を縮めて行こう。


この何気ない会話でも楽しいもの。

きっと上手くやっていける、私達。




『取り敢えずジュンさん。私と目が合わせられる様にしましょうか』

滅茶苦茶さっきから手の間からチラチラ見られている…観察されている…。


jn「はずかしくてまだ見れないですっ！今まで見てただけだったのでなんなら会話もちょっと恥ずかしい！」

『う〜〜ん』

jn「Aさんすっごくストレートに気持ちを言わせるので！」

『そ、それは申し訳ない…』

兄弟→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す