【募集企画】仮想世界戦争【#コンパス】3 (ページ9)

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98.それはあまりに突飛だなってページ9

時間が経つにつれ、本社内には人がどんどん増えていき、気がつけばもう沢山の人がいた。

「ひ……人が沢山……！」

ずっと引きこもってたからか人へと耐性が全く無くなっており、今でも顔から火が出て緊張で倒れそうだ。

やっぱ来ない方が正解だったのかもしれない……人がいっぱいすぎて無理……！！
しかもよく見るとみんな私なんかよりも美男美女ばっか、来るとこ間違えたかも……

「あのさ、このまま黙ってるのもアレだし自己紹介しない？多分ここに来ているのはトッププレイヤーって事だろうし」

困惑状態になっていると、サキちゃんが自己紹介をしようと切り出す。

「じ、自己紹介……！？」

人にすら慣れてないと言うのに自己紹介なんて無茶にも程がある。
現実での自己紹介なんて、公開処刑するようなもの。
それにあの時めちゃめちゃ痛い登場をしたのをみんなに見られてるんだよ！？メグメグが私だって知ったら……無理無理無理、想像しただけで吐き気が……
ダメだ私、倒れたり吐いたりしないって決めたじゃん。ちゃんと我慢して最後までーーーー

「は～い！次私が自己紹介して大丈夫かな？私は春風心愛！アニメとかゲームとか沢山知ってる人は聞いたことあるかもね…？アバターはリリカちゃん！リリカル、マジカル、ハートにキュン！…なーんてね！皆、宜しく～！」

他の人の自己紹介を聞いていると、聞き覚えのある声に気づき、咄嗟にそっちの方を見る。リリカと名乗るその女の子はテレビでも見たことがあるあの声優だった。

「え……？」

今、あの人リリカちゃんって言った……？あの子が……いや、あの人がリリカちゃん！？待って待って、どう言うこと？前にテレビでも見たことあるよあの人！何？つまり今まで相談に乗ってもらってたりしてたリリカちゃんの中の人があの人で……コンパスで一緒に戦ってた時のあの子もあの人で……て、てことは……私の今までの醜態も見られてたってことで……！

「あ……もう無理……」

脳内混乱状態になり、今まで溜め込んでいた羞恥心などが私の中で大爆発を起こす。誰かが何かを言ってた気がしたが、それすらも聞こえず、精神的にも体力的にも限界を迎える。

あぁ、今日は醜態を晒さないって決めてたのになぁ……もういっそ、誰か私を殺してくれ。

そんなくだらない事を考えながら、魂が抜けるかのように私は意識を失った。