【募集企画】仮想世界戦争【#コンパス】3 (ページ39)

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128.ひとりぼっちページ39

ヘッドフォンの男の子と花火の人のアバター主との一悶着を沈めると、私はすぐにそこから離れ、みんなとは少し離れた所で壁に寄りかかった。

「はぁ……やっぱダメだなぁ、私。倒れないって決めたのに……」

溜息を吐いて顔を上げると、いつのまにか人数が増えており、それぞれ仲良く会話を弾ませたり、自己紹介をしたりしていた。

あぁ、また一人ぼっちだ。
家にいる時と何も変わってない。
決意して外に出たのに、結局人前で倒れて、みんなに心配かけて、喧嘩も起こしちゃって。
少しは外に出て人見知りを克服して、友達も作りたかったのに……
リリカちゃんのアバター主の子とも仲良くなりたかったけど……

「やっぱり……私には無理なのかな」

私はおもむろにスマホを出し、画面の中にいるメグメグを見つめる。

メグメグならきっと、私に出来ない事が出来るだろう。
きっと、メグメグならみんなと友達になる事が出来るだろう。
あのチャイナ服の子とも、管理者の女の子とも、ヘッドフォンをつけた男の子とも、私の事を介抱してくれた人達とも、リリカちゃんのアバター主の子とも……メグメグなら、きっとみんなと仲良くなれる。
疎まれて、いじめられて、何も出来ずに逃げてばかりの私と違って、

「って……あんな事、考えても仕方ないよね……」

そっと画面に触り、メグメグのにこやかな笑顔を見る。

「ねぇ、メグメグ。もし貴方が私だったら……」

そこで言葉を途切らせ、携帯をパーカーのポケットの中に入れる。

やめよう、こんな事をしたってどうにもならない。ただ私が虚しくなるだけ。
メグメグはただの私のアバター、聞いたって何も言ってくれない。
大丈夫、1人でいるのは慣れてる。
これ以上問題を起こさないように、目立たづに居ればいい。

そう、目立たづにいれば……