【募集企画】仮想世界戦争【#コンパス】3 (ページ22)

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111.偽善ページ22

他の人が自己紹介していると、ピンクパーカーの女の子を看病していた男と、変な女が言い争いをしていた。
話を聞いていると、あの女の子を介抱してる所をあの女が変な風に言い掛かりを付けてたみたいだった。

「急にぃ説教、何それぇ？
言い返せないからぁ話を変えたんでしょぉ？」

「話を変えたのはそっちじゃないか？
俺は脱線した話を戻しただけだ
要するにお前はオフパコ野郎が近くにいるのが嫌だから離れて欲しいってことだろ？
離れてやるよじゃ、」

男の方が話を切り上げると、直ぐに女から離れていった。

あの女の口調に声、あの時ラウンジで指示していた花火女のアバター主だ。あれはあまりにも言い過ぎだ。見てるだけも癪だし、少し言うか。

「おいお前」

「ん？なぁに君」

俺は花火女のとこに近づき、キッと女の方を見て話しかける。

「俺は平本晶、十文字アタリのアバター主だ。さっきのは少し言い過ぎだろ。あの人だって悪気があったわけじゃないんだぞ」

「十文字アタリ……あぁ、あそこで喚いてた男の子か」

少しその言葉にピキッとくるが、俺は聞き流したことにし、話を続ける。

「あの人だって心配だから話しかけただけなんだぞ。それをオフパコ狙いとか言うのはあんまりだろ。あの人に謝れよ」

「いやいやぁ、あっちから喧嘩売ってきたことだから。ニュースも見ずにギャーギャー騒いでた世間知らずは黙っててくれない？」

俺は下手なことは言わないようにするつもりだった、けどあまりにもムカついてしまい、口から勝手に出てきてしまった。

「……世間知らずはお前だろ」

「は？今なんて？」

「だから、世間知らずはお前だろって言ってんだよ。勝手にあの人達の話に首突っ込んできたのはお前だろ」

「それはあの女の子の事を思ってぇ……てか、なんで私が君なんかに説教させられなきゃならないのかなぁ？あぁ、もしかしてぇ、女の子の前でカッコつけたい系？カッコいいですこと」

「は？」

「そう言うの、偽善って言うから。そもそも個人の事に首突っ込んでたのはあの人だからね？あーあ、これだからガキって嫌いなんだよなぁ」

俺の堪忍袋の尾は切れ、その女に摑みかかる。

「あの！！」

その声に咄嗟に動きを止め、倒れていた女の子の方を見る。

「あ、その…私は篠上恵……えっと、アバターはメグメグ……と、とにかく、こんな事で喧嘩は……やめようよ……ね？」

そう言われると、俺はまだ腹が立ちながらも、渋々手を下げ、顔を背けた。