推しに会えた2【灰谷蘭】

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「警察だ」

「帰んぞオマエら」




一気にサイレンの音で周りが騒がしくなる。
あれから蘭ちゃんにずっと手で覆われていたので全く状況がわからなかった。
だけど、2人がこれを言ったって事は全部が終わった合図だ。


「Aもほら、帰るぞ〜。」

『う、うん。』


蘭ちゃんは私の手首を掴み歩き出す。


「あ、兄ちゃん、呼んでる」

「あ？後にしろ〜」

「それが無理っぽい。」

「……はぁ〜。Aとりあえずこっから出たら顔出してそこの角曲がった所に居ろ。その格好で居たら怪しまれる。すぐ行く」

『うん。わかった。』

「走っていけよ？」

『うん。』


そのまま蘭ちゃんは竜胆と一緒にイカつい集団の所に行ってしまった。サイレンなってるのに大丈夫なのかな、蘭ちゃん達。


私はそのまま出口の方へ走って向かう、彼達の方を見ないように走るけどやっぱり気になってしまった。


『………』


倒れた場地さんの隣に座っている一虎。


私はそのまま彼達に近づく。



「…何しに来た、早く行かねえと捕まんぞ。」

『場地さんの顔を見に来ただけよ。』

「…オマエ場地の女か」

『違うよ、向こうは私の事知らないから。』

秒で女とバレてしまったけど、干渉してくる気は無さそうだ。

「んじゃあなんで泣いてんだよ。」

『場地さんの事一方的に知ってるから。良い人だから。』



目の前で倒れている場地さんを見て涙が余計止まらなくなってしまった。

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