推しに会えた2【灰谷蘭】

. ページ20

.





「マイキーの負けだ。」

『え！？』


あれから数分が経ち、私の真横で竜胆がそう言った。
まって、状況もセリフも本当に原作通りじゃん。

「ん？どうした？怖くなったか？」

私が大きく反応したからか竜胆がそう尋ねてきた。

『ううん、怖くない。でも、マイキーは負けないよ。』

「はあ……？」


マイキーの方を見ると血まみれで、見てられない。


原作をぶち壊してでも場地さんを助けるべきなのか分からなくなってきてしまった。このままじゃ一虎に刺される。
原作を変えるのはとても怖い。ここで私が動いたら歯車が狂いまくる。



「……本当だな」

「Aチャンが言った通りじゃん」

『へ？』



少し考え込んでしまっていて顔を上げるとマイキーが一虎達を倒していた。



そして、



『………うそ』



やっぱり稀咲はここのタイミングで出てきた。


「へぇ〜あいつ結構やんのな」

「………。」


蘭ちゃんは黙っているけど、何にも知らない人からしたら普通ならこう言う反応だよね。



『わ、わたし、あいつ、なんか嫌だ！！！』

「Aチャン、どうした？落ち着け？」

「……え？」

『結構やんない！凄くない！いや、結果凄いんだけどこれは凄くない！だからこれだけで仲良くしちゃダメ！』


別にこの先2人と仲良くなる事なんてないけど、なぜか分かんないけど、気づいたら2人にそう言ってしまっていた。

.→←.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す