【文スト】とりあえず笑っとけ【暗殺教室】

にーじゅっ ページ21

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長かった一日を終えた私は、一人新居を目指して帰路を辿っていた。ヨコハマから椚ヶ丘中学校があるこの場所までは電車で約一時間程かかってしまうため、緊急時すぐに対応出来るようにと近場で部屋を借りることになったのだ。

因みに国木田くんは仕事が残っているらしく今は一緒に居ないが、同じアパートの隣の部屋を借りることになっている。

探偵社に何かあった時はどうするんだとは思ったが、あちらには頼もしい調査員が揃い踏みだから心配は無いらしい。

荒事が起きたって賢治くんや敦くんがいれば大抵はどうにかなるだろうし、それに何よりあの太宰が居るんだ、万が一があったとしても私たちが戻るまで持ち堪える事なんて造作もないだろう。

ゆっくりと河原沿いの道を歩きながらスクールバッグからスマホを取り出した。画面に指を滑らして、耳元に持っていく。数回のコール音の後に繋がった。

｢もしもーし！こちら無事一日を終えましたAでーす｣

『あ、お疲れ様ですAさん！』

スピーカーの向こうから敦くんの声が聞こえる。依頼の方はどうでしたか？と心配そうに尋ねた彼に、努めて明るく返した。

｢なんかねぇ、想像以上にタコだった！｣

『タコ……！や、やっぱりあの写真通りだったんですか？』

｢見た目はあのまんまだよ、ウケるよね。でも想像以上にクラスの雰囲気は良かったかなぁ｣

酷い差別を受けているクラスだって聞いてたから、もっと暗いというか殺伐とした感じを想像してたんだけどね。

｢ていうか中学生ってちょー若い！年相応って感じでさ、あー、まあ普通の中学生と比べるとちょーっと違うけど、でもやっぱ可愛いよねぇ｣

そんな風にグダグダと暫く話していると、電話口の向こうが何やら騒がしくなってきた。

｢んん？敦くん、そっち何かあった？どっかから襲撃？｣

『あ、いえ！そういうわけでは、って、ちょ待』

どこか焦った様子の敦くんに大丈夫かと声をかけると、突然ガタンと大きな音が聞こえて彼の声が途切れてしまった。

｢敦くん？……敦くん！｣

『やあA！依頼は順調かい？』

やけに楽しげな胡散臭い声が、耳元で響いた。

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