今宵、月夜に君は輝く。 (ページ12)

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虚しくなって、ベランダ出る

外には綺麗な満月が出てた。

『綺麗だな……』

ぼそっと独り言のつもりで呟いた

独り言のつもりだった……

「せやね、」

なのに、返事が返ってきた

少し前かがみになって区切りから顔だして横を見ると、缶ビールを片手に月を見てる男の人
……昨日の玄関の前で爆睡してた人だ

昨日は爆睡してるヤバい人って印象しかなかったけど、めちゃくちゃイケメンだ、、

サラサラな茶髪が風に吹かれてまるで映画のワンシーン

「昨日、俺のこと助けてくれた？」

『えっとー、まぁ』

「やっぱりー？良かったぁ、当ってたわ
隣人ってどっちやろ？って思っててん」

この隣人さんにとって隣は右隣と左隣で2つあるのか

って、今更気づく

「お礼に1本どう？」

まだ、開いてない缶ビールを左手に持って首を傾げてくる

「あ、ビール苦手？」

『いや、大好きです…！』

ふはっと笑って、手を伸ばして私にビールを渡してくれる

図々しかったかな、

なんて、考えながらプルタブを引き起こす

『おいしっ』

仕事終わりのビールは最高だな