錦戸くんに焼きそばパンあげたら好かれました。 (ページ24)

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田村さんは、そのあとも錦戸くんと楽しそうに話してた

モブキャラの私は変わらずただ見ることしかできなかった

そして、あっという間に放課後。

あゆのバスが来るまで一緒に話して、その後は1人で歩いて帰るいつものルーティン

錦戸くんがいない帰り道暇だな…

…数回しか一緒に帰ったことないのにこんなことを考えてしまう勘違いっぷりに呆れる

『はあ……』

「どうしたん、悩み事？」

『え？』

振り返ると、錦戸くん…………

「ごめん、前にAちゃん見えてさ…
思わず追いかけて来ちゃった」

照れたように笑う錦戸くん

モブでいようって決めたのに……
錦戸くんの笑顔で決意が揺らぎそうになる

「一緒に帰ってもいい？」

『もちろん、、！』

一緒に帰るぐらいならいいよね、、、？

「今日の昼、俺手振ったんやで？」

『え、そうなの？ごめんね気づかなかった…』

唇を尖らしながらいう錦戸くんに胸がチクリと痛む

嘘です、めちゃくちゃ気づいてました……

「窓開けたままどっか行ったやろ？」

『うん、、』

「あの後、教頭きて誰だ開けっ放しにしてったやつは！って大声で言うてたで」

『うそ？！』

「うん、うそ笑」

『え、？なんだ、びっくりした〜』

あははって笑ってごめんなって謝ってる錦戸くん

こんなお茶目な1面知ってるのも私だけだったのにな…

「あれ？亮じゃん！」

帰り道の途中にあるコンビニから出てくる見覚えのあるふわふわカールの女の子田村さん

コンビニ袋片手に可愛らしく小走りでこっちにやってくる。

やっぱりモブは所詮モブで、錦戸くんのヒロインは田村さんなのかなってそう思わずにはいられないタイミング

「えーっと、同じクラスの……」

「Aさん」

「あっそーだ！ごめんねまだ全員覚えられてなくて」

『ううん、全然大丈夫』

錦戸くんが私の名前を田村さんに教えてくれた嬉しさと、錦戸くんの2人の時間が終わった悲しさ

「ねえ亮、アイス食べたい！買ってきてよ！」

「なんでやねん、自分で買ってこいよ」

「ねえ〜お願い！買ってきてよ〜」

「いややわ笑」

一瞬で私は蚊帳の外

「アイス買ってきてくれたら大人しく帰るからさ！ね？」

「言ったな、買ったらちゃんと帰れよ」

「うん絶対！」

すごいな田村さん、
こんな感じに錦戸くんに接せるなんて

私は絶対無理だ…

「ごめんな、Aちゃんちょっと待ってて」

『うんわかった…』

錦戸くんはコンビニに行っちゃって私と田村さん2人きり