グランシヤン(緑) (ページ9)

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「あ、そういや駐車場借りたわ
A、車持ってないからええやろ？」
『いやそれは全然いいんだけど…』

大倉ご自慢のクラウンに乗り込むはいいけど未だにどこに行くかは聞いてない

『ね、どこ行く気？』
「元俺ん家」
『なにしに？！』

サラッと言いやがったけど意味が分からない

「荷物色々取りに行かなあかんやん」
『送って貰えばいいじゃん』
「Aん家の住所教えていいんか？家凸られるで」
『それは困るけど…』

せやろ？なんて得意げな大倉
何しに行くかはわかったけどなんで私もついて行くのかは分からないまま

「ずっと行きたかったネイルサロン予約取れたって言うてたからいま家に居ないはずやねん絶好のチャンスやろ？」

『彼氏に浮気現場見られた次の日、しかもまだ彼氏と連絡もとれてないのにネイルサロン行く？』

「2ヶ月待ちとか言うてたし、まさか俺が来るとも思ってないしさすがにキャンセルせんやろそういう奴やで」

『…そうなんだ』

浮気されたとは言え、つい先日まで付き合ってた彼女に随分冷たい様子
浮気されたから一気に愛が冷めたのか、元々そこまで熱が無かったのか…

今日の朝、見てしまった大倉のホーム画面にびっしりとあった彼女さんからの通知見る限り彼女さん側はまだまだ大倉への熱は冷めてないっぽかった

私と一緒にいるところ見られたら、さらに修羅場にならない？

『大倉のスマホのアラーム止めた時めっちゃ通知きてるの見ちゃったんだけどさ、もし万が一家にいてさ男の人もまだいたらどうする…？』

「男にいっぱつ蹴り入れてやる」

整った顔から吐き捨てられたバイオレンスな言葉にゾッとする
まあでもそれぐらいしないと気済まないか