グランシヤン(緑) (ページ40)

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信号が青に変わり早々に歩き出した大倉を小走りで追いかける

『大倉…待って！』

先に進む大倉を呼び止める

振り返った大倉の表情はさっきまでの不機嫌な顔じゃなくていつもの優しい顔だった

『私、本当は彼氏なんていないの、、！』

「それは…別れたから、今はいないってことやんな？」

『ううん違う！しばらく彼氏なんていないの！
だから別れた彼氏もいないの！』

「は、、、？えっと… ごめんどういうこと？」

困惑してる大倉にことの成り行きを全て話す

「つまり…焼肉行った時、俺を彼氏だって勘違いした知り合いが亮ちゃんに伝えてもうて、引くに引けなくなって嘘ついたってこと？」

『その通りです、、、』

私がそう言うと大きいため息を吐き出す大倉

「なんやねん、、それ」

『ごめんね
大倉だって訂正したらしたでなんで大倉と飯行ったんだってなりそうだったし、
それに大倉彼女と別れたこと亮ちゃんに知られたくないのかなーとか色々考えたら彼氏いるってことにした方がはやい気がして…』

「はあ、ほんまに心臓に悪い」

ため息と共にデコピンがとんでくる

おデコを抑えながら大倉の方を見ると、

「じゃあ、いまも今までも彼氏はいないってことやな？」

『うん…』

「てっきり、最近Aは亮ちゃんに気があるんかと思ってたわ」

『なんで亮ちゃん？』

「最近、ヤケに仲良かったやん」

あー…それは弱みを握られてたから
仲良いというより弱みを餌に弄ばれてたって感じだけど

「そのくせ俺にはなんか素っ気ないし
かと思えばいきなり彼氏がどうこう言われてほんま気い狂うかと思ったわ」

意地悪そうな表情の大倉に見つめられて、目が離せない

心臓がドクドクと波打つ