グランシヤン(緑) (ページ31)

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『ていうか亮ちゃん、昨日無事に帰れたんだね』

「なんとかな」

二日酔いなのか頭痛そうにしてる

あんだけ飲んだらそりゃそうか

「朝、大倉から写真送られてきたわ」

『あーあの寝てるやつ？私も送ってもらお』

「やめてや」

そんな話をしてると会社に到着

亮ちゃんと話しながらも意識はロビーのどこかにいる大倉を探すのに夢中

あ、いた…

長い足を組みながら、スマホをいじってる。
やっぱりものすんごいイケメンじゃん、、、

大倉じゃん！って言うタイミングを見計らってると

「あれ、大倉やん」

有難いことに亮ちゃんから声をかけてくれた。
おかげで自然な流れで大倉の方に行ける

「おー亮ちゃんとAやん」

昨日無事帰れたんやなとか昨日の夜の話をしてる2人を横目にカバンに手を突っ込んで鍵を握る。

渡す準備は出来てる、あとはタイミング

「あれ？亮ちゃん、顔にまつ毛ついてるわ
ちょっと目つぶっててや」

ナイス！大倉！！

ややこしい男の視界が塞がれたところで、大倉のスーツのポケットにさりげなく鍵を入れる

「とれたで〜」

「おーありがとな」

亮ちゃんまつ毛長いな〜なんてOLみたいな会話をしてる2人

「Aもそう思うやろ？」

『え、？ …うん、確かに！長いかも』

大倉のナイスアシストもあって、無事に鍵を渡せてミッション成功したもんだから完全に気抜いてた

「それより、お前ロビーにおったってことは誰か待ってたん？」

「あー……そうやねん」

大倉と一瞬目が合って、お互い気まずくて思わず笑う

「あー＂コレ＂か？」

小指をピンと立ててニヤニヤ笑う亮ちゃん

朝からなんちゅー品のない会話してんだ

「やめてやあ〜亮ちゃんやないんやから」

「まあでも確かに大倉最近大人しいよな」

『…ちょっと前までは暴れてたの？』

「それは……」

亮ちゃんが何かを言いかけたところで大倉に耳を塞がれる

「さあAちゃん、お仕事のお時間やで！」

くるっとエレベーターの方に身体を向けられる

「亮ちゃん、Aに変なこと言うたらアカンからな！」

「あ、おいっ！」

そう言い残して、私の手を掴んでエレベーターに乗り込む

＂閉＂のボタンを連打して亮ちゃんを1人残したままエレベーターは進み出す