グランシヤン(緑) (ページ20)

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大倉を知らない丸ちゃんさんづてに聞いた話で亮ちゃんは私が彼氏と焼肉行ったと勘違いしてる

Q彼氏と焼肉行ったんやろ？
Aいいえ、彼氏ではなく大倉です
って訂正すればいいんだけどこうストレートに答えると

第一にまずなんで日曜に2人きりで焼肉なんて行ってるんだ？ってなる。
この4年間で私たち同期3人が日曜日に集まって飲むことなんていままで1回もなかった
行くとしたらだいたい、金曜日。
しかも2人きりで飲むなんてことも滅多にないのになんでだ？ってなる

ここで、正直に大倉が同棲中の彼女浮気されていまうちに居候してるからです。とは言いづらい

土曜日に大倉が家に来た時に、
同棲してた彼女に浮気されて帰る家がないので泊めさせてくださいなんてあのモッテモテのイケメン亮ちゃんに言えると思うか？的なこと言ってたし大倉的にこのことは亮ちゃんに知られたくないっぽかったし

大倉と焼肉行ったってことだけ伝えて、いやーなんか飲みに行きたくなってさーほんとそれだけーと理由だけ嘘をついたとしても、

なんで俺は誘わんかったん？
なんで大倉だけなん？

って面倒な拗ね方をされた上に、ちょっとでも矛盾点があったら詰められて嘘がバレて、

なんで嘘ついたん？
ってさらにがん詰められるに違いない

一歩間違えたら一気に全部バレそうなこの状況。

つまり私が言うべき最適解は、
『そう、実は彼氏出来たの』

そう言うと亮ちゃんは疑う様子もなく、

「丸が嘘ついてると思ってたんやけどほんまやったんや」

いつできたん？どこで知り合ったん？どんなやつ？イケメンか？身長は？って怒涛の質問ラッシュ

『えっと…半年前ぐらいに同じサークルだった子の結婚式で会ってそこからご飯いって…みたいな』

亮ちゃんは恐ろしく頭が切れる人
だから些細な違和感で嘘だとバレる可能性がある
頭で整理しながら慎重に喋る

「そんな素振り一切見せんかったやん」

『彼氏出来たよーとか言うの今更ちょっと恥ずかしいじゃん』

「まあたしかにそれはそうやな」

から揚げを口いっぱいに詰め込んでるところを見る限り嘘だとはバレてないっぽくて一安心

「どこが好きなん？」

『え？』

「だから、そいつのどこが好きなん？」

私は今から、居もしない架空の彼氏の好きな所を話さなきゃいけないの、、？キツすぎない？

『えーっと優しいとこ？』
「ふっ、在り来りやな」

鼻で笑われて恥ずかしさ倍増する

いいじゃん、優しいの大事じゃん！！