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大倉に頼み込んで、会社から少し離れたところで下ろして
もらう



車降りる間際、大事なことを言い忘れてたことに気づく



『今私んちに居候してること絶対他言禁止ね!』

「なんでなん?」

『ややこしいから!!!
誰かに言ったりバレたら1週間経つ前に追い出すからね!』




そういい残し助手席の扉を閉めて、車が進んで言った方向と同じ方向に歩き出す



少し離れたところで降ろしてもらいたいってやり取りにも一悶着あって、
大倉は普通に会社で降りたらええやんなんて呑気なことを言ってたけどあいつはわかってない



万が一、大倉の車から私が降りるところ見られたらどうなるかを。
どれだけの数の女子が、大倉と亮ちゃんを狙ってるのか
を。



ただでさえ、亮ちゃんと大倉っていううちの会社のニ大イケメンと同期ってだけでたまに怖い視線を感じるのに。
それにイケメン同期の片方が、家に居候してるなんてバレたら間違いなく終わる




大倉だって変に勘違いされて騒がれるの嫌でしょ!って無理やり結論づけ一悶着に決着つけたけど
熾烈な女の争いを知らない大倉は不思議そうな顔をしてた


















いつも会社までトータル40分ぐらい歩いてるのに今日は10分も歩いてない…感動……
会社着いた時の疲労度が全然違う


二日酔いの体には車の有り難さが痛いほど染みる




「A、おはよ」




少し掠れたセクシーなハスキーボイスの持ち主はうちのニ大イケメンの1人、同じ部署で同期の亮ちゃん
数々の女子社員を夢中にさせてる罪な男





『おはよ』

「今日、A1本早い電車で来たん?
いつもより早いやん」

『あーーー…うんそう!』




亮ちゃんは信じられないぐらい頭が切れて勘が鋭い人だからここで変に中途半端に事実を織り交ぜて、ボロでておい辻褄合わんぞ?
ってなぐらいなら全くの嘘のがいいはず




「珍しいこともあるもんやなー」


って片方の眉毛をクイッとあげて意味深にニヤニヤしてる亮ちゃん

同期歴4年目にもなればわかる

これは悪いことを考えてる時の顔




え、もしかしてバレてる……??
いやそんなことはないはず
人気ゼロの道で下ろしてもらったし…




『なにニヤニヤしちゃって…』
「いーや別に〜」




おもちゃを買ってもらった子供みたいにご機嫌に鼻歌を歌いながら自分のデスクに行く亮ちゃん

………………………嫌な予感

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作者名:アイスクリーム | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php  
作成日時:2024年1月29日 20時

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