グランシヤン(緑) (ページ12)

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『何としても奪取したいって言ってたじゃん』

「ほかの男と寝た枕なんて知らん
もう出よ、こんな恐ろしい部屋」

くるっと扉の方に向けられて押さられるように寝室を出る

「なんなんこれストレスで痩せるわ」

『良かったじゃん』

「やかましいわ」

『いてっ』

おでこにデコピンがとんでくる
痩せたい痩せたいいっつも言ってるくせに…

「もう帰ろ、しんどいわここ」

疲労困憊の大倉は衣服は入ったダンボール、私は小物だとか色々入ったダンボールを持つ
服のやつよりは軽いけどこれもまあまあ重い

これは相当なお礼して貰わないとやってけない

ダンボールを抱えてそそくさと家を出る姿はまるで夜逃げ

エレベーターで先に乗ってる人がいて怪訝そうに見られたしとてつもなく恥ずかしい………

「もう、無理腕もげそうやねんけど」

『ヘタレすぎもうちょいだから頑張って！』

なんで私が大倉のこと励ましてるんだか、、
ヘタレの大倉を鼓舞しながらなんとか駐車場に辿り着く

後部席にダンボールを置いて、一息つく

「腹減ったなーこのまま飯食いに行く？」

『大倉の奢りなら行く』

「もちろんそのつもりやで」

口角を上げてニヤッとと笑う大倉
こんなかっこいい男が浮気されるなんて不思議な世の中だなって常々思う

「肉食いたない？」

『食べたい！』

「まだ昼やけど焼肉行こーや」

『まじ？いいの？』

「とりあえず今日手伝ってくれたらお礼」

『泊めたお礼はまた今度別でしてくれるってことでいい？』

「さあーな」

またニヤッと笑って車を発進させる
顔だけはめちゃくちゃいいんだけどな〜、、