グランシヤン(緑) (ページ2)

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ドアチェーンはつけたまま扉を開ける

「…出んのおっそいねん
違う人の家かもしれんって不安になるやろ！」

『いやいや、意味わかんないから』

急にしかもド深夜に人の家を訪れてきたやつの態度には思えない、、

「てか、これ外さんかい」

ドアチェーンをジャラジャラ指でいじっては不機嫌そうに睨みつけてくる大男

嫌な予感しかしない
今までこんなことなかったじゃん

『どういう用件で、、?』
「まず中にいれるんが先！」
『用件が先！』
「よぉし、わかった！
入れてくれへんのなら今！ここで！叫ぶ！」

まあまあの声量で語気を荒らげるもんだから慌てて止める

『わかった！わかった！入っていいから！』
「やーーっと入れてくれたやん」

「お前電話したのに出んかったやろ」
『あ、ごめん充電なくなって寝室で充電してた…』

ってなんであたしが謝ってんだ…

ブツブツブツブツまだまだ不機嫌そうな大倉
当たり前のように靴を脱いでリビングへずんずん上がってく

何回か私と大倉ともう1人の同期亮ちゃんとの同期会の二次会でうちで宅飲みをしたことあるとはいえあまりにも慣れた様子すぎてる

「あ、この番組俺も好きーおもろいよなー」

ソファーのど真ん中に座って長い足を組んでいる
机の上に置いてある飲みかけのチューハイ見ながら酒余ってへんのー？だとかなんだとか言って図々しい

『入れてやったんだから用件を言え！用件を！』
「あ〜………
いやあ実はなかくかくしかじかでな……」

急に神妙そうな顔をして大倉はその＂かくかくしかじか＂とやらを話し出した