私は野坂悠馬の姉【アレスの天秤】 (ページ40)

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40話ページ40

夢主side

野「いや僕自身サッカーを好きになったことなど1度もない。君たちは何となく目障りなんだ」

『(昔はサッカー好きそうにやってたのにな…)“目障り”か…随分と嫌われたな』

野「…それじゃあ。明日奈さん校門で待ってるよ」

そう言って野坂は帰って行った

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野坂side

雷門を見に行ったついでに姉さんを見つけたから呼び出した

明日奈「何だ」

野「この間のオーナーからの返答。“ならばどうなっても知らないぞ”だってさ」

明日奈「そうか…なら“俺は何をしても絶対に戻らない”って伝えてくれ」

野「ねぇ姉さん、姉さんとオーナーはどういう関係なの？」

明日奈「…悠馬は、アレスの天秤の成功作だろう？俺は【裏アレス】の成功作だ」

野「裏…アレス？」

明日奈「それ以上は言えない、あとは自分で調べろ。あと悠馬お前脳腫瘍…なんだって？」

野「！？」

どうして姉さんが僕の病気のことを知っているんだ？まさかオーナーが！？

でもいまの姉さんの様子を見る限りオーナーとの関係は悪いように感じる

明日奈「“どうして”って顔してるな。病院に行ったときに聞いたんだ」

野「病院？姉さんどこか悪いの？」

明日奈「悪くないって言ったら嘘になるな」

野「大丈夫なの！？」

明日奈「相手の心配よりも自分の心配をしろ。でもこれだけは忘れるな、お前はいろんな人に必要とされている。失敗作なんかじゃない。自分のやることには自信を持て」

そう言って姉さんは僕を抱きしめた。その温もりは久々に感じたけど今すぐにでも消えそうな感じで…

野「姉さん…」

明日奈「じゃあな悠馬。まあお前のことだからまた無理にでも会いにくるんだろう？」

そう言って頭を撫でた姉さんはそのまま何処かへ行ってしまった

今すぐオーナーのところに行って裏アレスについて聞こう

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〈月光エレクトロニクス〉

野「失礼します」

御「なんの用だ」

野「返事を預かって来ました。“俺は何をしても絶対に戻らない”だそうです」

御「そうか。あいつも愚かなものだ」

野「失礼ですがオーナー、噂をお聞きしたんですが【裏アレス】とはなんですか？」

御「アレスの天秤よりも優秀な作品を作るための施設のことだ。野坂Aが裏アレス成功作第1号。今のところ裏アレスの成功作はあいつだけだがな」