雨 ページ20
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仕事の都合あるかもだしはやく言いなよってメンさんに怒られて、ようやく決意を固める。
昨日電話で泊まりに行くってちゃんと伝えたし
絶対今日、会った時言う。そう決めて朝から気合十分。
この前買った新しいスニーカーを下ろして、Aんちに行く用の地味なジャケットをわざわざリュックに押し込んで、事務所へ向かった。
このスニーカー、オシャレなのにすげえ歩きやすいな。
うわ、これ絶対LA履いてこ。
てか向こう寒いだろうし、Aにコートでも買ってやろっかな。嫌がるかな、あいつ。
そんなこと考えて、くくって笑った。
冬の朝も、全然寒くなかった。
その日の午前中は最悪で
とある収録で地方に向かったのはいいものの、着いて早々大雨で中止になって
また2日後に回されることになってしまった。
早起きしたのに…なんて思いつつも、天気のことだから仕方ない。
「も〜昨日ゲーム我慢して早く寝たのに〜」
事務所に戻るバンの中
隼がそう言いながらアイマスクをつけた。
その言葉を聞いて思い出したみたいに、メンさんがリュックから最新のゲーム機を取り出す。
「…珍し、メンさんがゲーム。」
「いやこれがさ、全然クリアできないんだよね。」
ふうんって返事しながら、窓の外に視線を移した。
雨だなあ。じめっとしててやな感じ。
若干憂鬱になってロケバスで俯いた時
目に入るスニーカー。
…Aいま何してっかな。
12時半か。休憩中のはず。
携帯取り出して、ラインした。
ひまって送ると、すぐに付く既読。
思わずふふって笑った。
暇してたのかな。就職してすぐあたり、職場で友だちできないって泣きベソかいてたし。
あ、そうだ。
「メンさん、」
「ん？」
「それ、今日貸してよ。お願い。」
「これ？ゲーム？」
「うん。頼む。」
「えぇ〜…」
「頼むって。今日彼女んち行くんだよ、あいつゲーム好きだから。頼む。お願いしますって。」
「俺玲於と彼女の仲取り持つために力貸しすぎじゃない！？」
まあいいけど…って、最後には優しいメンさん。
あざっすってお礼を言い、早速ラインで報告した。
[ 今日いいもの持ってく ]
[ いいもの？なに？ ]
[ それは内緒〜 ]
[ えー ]
[ でも絶対A喜ぶから ]
俺もAとゲームするの、好きなんだよ。
ゲームが好きってのももちろんあるけど
まあ一番の理由は、ゲームしてる間はくっついてられるからね。
…なんて、本人には絶対言えないけど。
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mugi(プロフ) - 自分に重なることが多すぎて、感情移入どころではなかったです。素敵な作品いつも有難うございます。 (2019年11月18日 10時) (
レス) id: 4db51b5e5d (このIDを非表示/違反報告)
ゆいあ - きなこさんの作品大好きです！ (2019年11月3日 18時) (レス) id: a624d1b453 (このIDを非表示/違反報告)
_myprince8(プロフ) - きなこさんの作品全て好きです。完結まで結びますように！っ (2019年11月3日 10時) (レス) id: bca9b2866b (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか(プロフ) - 私最近の玲於くんの大人っぷりに寂しいって感じてしまい玲於くん見るの少し離れてたんです。だからきなこさんの思ってること同じで嬉しくなりました。今はちょこちょこ玲於くんを応援してるつもりです。笑1日の終わりに読むきなこさんの作品いつも楽しみです！ (2019年11月3日 1時) (レス) id: f500b029ae (このIDを非表示/違反報告)
も。(プロフ) - きなこさんの作品の中で一番好きです。人間味があって執着する玲於ちゃんや空回りながらも同じ思いの主人公ちゃん、すれ違いがもどかしいけど読み応えがあって本当に好きです。完結まで頑張ってください！ (2019年11月2日 9時) (レス) id: db66c21382 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2019年10月10日 22時
