ただいま、初恋4【佐野玲於】

ショッピング ページ8

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ミサ「ほら！Aちゃんすっごくこれ似合う！」

A「ええ、これ？」


夢の国から、1週間と少しが経った
相変わらず暑くて暇な夏休み
今日はミサちゃんとふたりでショッピングなの
朝突然、買い物付き合って！ってラインきて、急きょ

相変わらずフランス人形みたいなミサちゃん
自分の買い物は秒速で終わらせて
わたしの服、選び始めた
いいよって何回も言うけど、着せ替え人形みたいで楽しいから、って
なに？それ


ミサ「えー、買わないの？せっかく似合ってたのに。」

A「こんなかわいいの、着れないもん。」

ミサ「もー、これ着たら多分、先輩もイチコロだよ！」

A「そんなわけない！」

ミサ「絶対そうだって。かして、ミサが買ってあげる。」

A「え！いいよそんな、」

ミサ「いーの。夢の国のおみやげ貰ったし、今日付き合ってくれたお礼！」


ほんとにいい！って何回も言ったけど
結局ほんとにプレゼントされちゃった
すごく、本当にすごくかわいい白のブラウス
ノースリーブなのにプチハイネックで
もう、可愛すぎるの
絶対ミサちゃんの方が似合うよ


A「…ありがとう、本当にいいの？」

ミサ「うん！ミサ、結構稼いでるからこんなの余裕。」


ミサちゃん、居酒屋のほかに
かわいいから雑誌出たりしてるんだって
それで臨時収入入るって この前言ってた
かわいいと得だなあ、ほんと

受け取ったショッパーを手に
カフェでも行こうってふたりで歩いた
ミサちゃんって都会っ子だからすごく詳しくて
どこにでも案内してくれるの
入ったカフェ、そんなに広くないけど
装飾とかすっごくお洒落で、思わずキョロキョロしちゃう


ミサ「Aちゃん何する？」

A「うーん…あ、りんごジュース。」

ミサ「あは、子どもだなあ。」


そう言って笑ったあと
店員さん呼んで、わたしのぶんまで注文してくれた
グラスに注がれたりんごジュース
佐野先輩のこと思い出して、ちょっと幸せになる


ミサ「ねえ、楽しかった？夢の国！」

A「うん、もうね、すっごく楽しかった。ミサちゃん行ったことある？」

ミサ「もちろん。」

A「もちろんかあ。笑」

ミサ「ね、聞かせてよ。先輩の話！」


実はこの前、塾であったとき ちょっとだけ話したの
先輩に片思いしててね、って


A「どっから話したらいい？」

ミサ「最初から！」


キラキラした大きい目
思わず笑っちゃった


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