能天気 ページ44
.
ママ「もぉー、彼ができたなら言ってよ、なんで秘密にしちゃうの?」
A「だから、違うの。ママ聞いて、」
ママ「何が違うの?お泊まり、でしょ。彼すごく良いひとね。」
クーラーの効いたリビング
ソファーに座って、麦茶片手に弁解する
彼、だって
恥ずかしいよ、その言い方
A「あのね、違うの!ほんとに付き合ってないよ、お世話になってる先輩。」
ママ「…えー、ほんとに?」
A「ほんと!ねえ、電話で何話したの?わたし寝てたからわかんない。」
ママ「そうねえ、23時ごろだったかな。あなたラインちっとも返してくれないから、電話したの。」
A「23時ごろ…」
ママ「うん。そしたら男の子が出てね、びっくりしちゃって。慌ててたら、大学の友達ですって、今日はこういう理由でAさん連れ出してました、って。キチンと伝えてくれたわ。」
…すごい
先輩、まじめに言ってくれたんだ
たぶん、わたしの両親が過保護なの知ってるから
ちゃんと説明してくれた
…嬉しいな
ママ「それでね、一日動いてたから、Aさん疲れて寝ちゃいました、って。起こすの可哀想だからこのまま寝かせときたいって。でももし心配なら、すぐ車で送ります、って!ね、紳士でしょう。最後は念のためって、住所まで教えてくれたのよ。」
A「ええ…先輩すごい。」
ママ「ばっちりメモっちゃった。見て。」
そう言いながら、一枚のメモ用紙を渡された
見たら、先輩の家の住所と、さのれお、の文字
…先輩ほんとに優しいし、しっかりしてるな
ママ「ここまで言われたら、信用するしかないじゃない。というより、あー付き合ってるんだ!って思って。」
A「もお、それは違うって。」
ママ「えー、本当に?」
A「うん。本当に。」
ママ「残念だわ…でも、近いうちにそうなりそう。」
A「…なにそれ。」
ママ「ママの勘、結構当たるのよ。」
もお、適当なことばっか言って
なんて反論しつつも
そうなればいいのになあって、心のどこかで思ってた
いつもがきんちょなのに、ずるいや
それに、可哀想だからこのまま寝かせときたいって
そんなの嬉しいに決まってる
朝起きたとき肩にかかってたタオルケットも
先輩が夜かけてくれたんだって思ったら、涙出てきそう
いつかママに、このひとが あのときの先輩だよって
ちゃんと紹介できたらいいなあ
そのときはもしかして、彼氏になってたりして…
なんて
能天気にそんなことばかり考えてた
.
3338人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
maki(プロフ) - 今まで何お話、読み返したら、やっぱり佐野先輩とうまくいってほしい。。(;_;)先輩!!何してんのーー!!! (2018年8月5日 7時) (レス) id: 9583ac788f (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか - ほんとに今一番大好きな小説です。全然話長くしていただいてかまいません!笑更新これからも楽しみにしていますので大変だと思いますが頑張ってくださいね! (2018年7月5日 23時) (レス) id: cb039e5484 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - きなこさんは更新率が高いことだけが取り柄だなんて、全然まったくそんなことないですよ(^^)きなこさんのお話を読むだけで元気になれます。いつもお話を読めること本当に嬉しいです。これからも応援しています。きなこさんの思ったまま書いてください! (2018年7月5日 23時) (レス) id: 49103f1761 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(プロフ) - さいくぅー (2018年7月5日 22時) (レス) id: 527ff0df55 (このIDを非表示/違反報告)
涼夏 - もうきなこさんの伏線が楽しみすぎます!!楽しみにしてます!! (2018年7月5日 22時) (レス) id: c6b1080ab1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きなこ | 作成日時:2018年6月16日 21時