ユアマイドール【佐野玲於】

ご褒美 ページ6

玲於side





涼太「れーお、」




ジムでバイク漕いでたら、さっき出てったはずの涼太くんが私服で戻ってきた。




相変わらずの王子様フェイス

キラキラ眩しいオーラ



…うっわ〜

俺にないやつだ、アレ。





涼太「メイク室、Aいるよ。」


玲於「…ふーん。」


涼太「興味なさそ〜。笑」





メイク室って、あれか

ヘアメイクさんたちの練習用にわざわざ作られた部屋


怖いマネキンがいっぱいいる部屋





涼太「あのさ。今日の夜、暇？」


玲於「今日？…あー、暇。」





久々に会える友達と晩メシの約束してたけど

ドタキャンくらったとこだったし。





涼太「Aとさ、3人でご飯行かない？」


玲於「…なに、あいつに頼まれたの？」


涼太「違う違う！笑 マネキンで練習頑張ってたからさー、ご褒美？」


玲於「ご褒美にメンバー売んのやめてもらっていいっすか。」





言いながらバイクから降りて シャワールームへ向かう。


Aとメシか。

いつぶりだっけ？





涼太「あ、行ってくれんの？」


玲於「別にいいけど。店は涼太くんが決めてね。」


涼太「よっしゃ〜。A喜ぶなーコレ。」





…なんで俺とメシだけであいつ嬉しいの？


いやまあ、それは俺が、その

あいつにとっては好きな男だからなんだろうけど。



でも俺だよ？
この塩で有名な俺だよ？


つーかAとかあいつドMだからさ

どうしてもこう、俺のSっ気が前面に出ちゃうっていうか。


むしろAで発散してるっていうか。




あいつ、何してもニコニコしてるし

俺のいうことなんでも聞くし

すぐ追いかけてくるし




…まあ、可愛いっちゃ可愛いよ。


うざいけど。








玲於「…俺のこと好きでも永遠に報われませんよって言っといてよ。涼太くん幼なじみでしょ。」


涼太「かわいそー。泣いちゃうよ、A。」


玲於「泣かないって。」





あいつの体の中、たぶん涙とかないわ。

泣き顔なんて想像もできないし。





玲於「てかまだ18時じゃん。」


涼太「もう行ってよくない？Aほら、赤ちゃんだから。日付け変わる前に寝るから。」


玲於「あー忘れてた。」





撮影が夜からの時なんて、A、いっつも眠そうな顔してる。






玲於「…じゃあ行くかー。」


涼太「A呼んできて。6階。」


玲於「やだよ涼太くんが行ってよ。」


涼太「ご褒美〜はい、いってらっしゃい！」


玲於「…めんどくさ。」





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