断れない ページ37
Aside
A「…やっちまったあ…」
夜
事務所からの帰り道で、ひとり頭を抱えてた。
昨日わたし
玲於くん相手になんてこと言っちゃったんだろう
チカさんが好きなんだよね、なんて
好きな人相手になんてこと言っちゃったんだろう
玲於くん、困ってた。
困ってたし、図星って顔してた。
…はあ
分かってたけど、やっぱり苦しいな。
明日午後から撮影あるし
仕事だから、嫌でも会わなきゃいけないし。
気まずいよ
会いたくないよ
…なんて、自業自得なんだけど。
途中通りかかったいつものカフェ
ココア飲んで帰ろっかなあって思ったけど
通りから中を覗くと、おじいちゃん誰かと喋ってた。
ちょうど柱で見えないけど…
誰かいるなら、明日にしよう。
大人しく駅に向かって 通りを歩いてる時だった。
涼太「A？」
後ろから聞こえた涼太くんの声
振り向くと、芸能人オーラが隠しきれてない涼太くんと、その隣には綺麗なチカさんがいて。
チカ「Aちゃん！今帰り？」
A「はい、こんばんは…」
チカ「遅くまでご苦労様。」
A「ありがとうございます、」
…はあ、相変わらずいい人。
涼太「俺も今撮影終わってさ、チカと待ち合わせてご飯行こっかって。」
A「そうなんだ。」
ちらっと見ると、チカさんとバッチリ目が合って
思わず逸らしてしまった。
…なんか、どうしよ
無理かも。
この人が玲於くんの好きな人なんだって思ったら
とても普通ではいられない
なんて、思っていたのに。
チカ「ねえ、Aちゃんも一緒にご飯行こうよ。」
A「え、」
涼太「ああ、俺はいいよ？Aが用事なければ。」
チカ「どう？」
美男美女の綺麗な瞳に見下ろされて
…断れるわけ…ないっていうか…
A「…ぜひ…」
チカ「やった！Aちゃん何食べたい？」
A「えと、…や、焼肉…」
涼太「可愛げないなー相変わらず。笑」
じゃあ行こうか、なんて言いながら
スマートにタクシーを止めて A乗りなって促してくれる涼太くん。
…もう、鈍感。
気付いてよ。行きたくないのに。
チカ「焼肉かー、久しぶりだなあ。涼太に焼いてもらおうね、Aちゃん！」
好きな人の好きな人から向けられる、綺麗すぎる笑顔
それを受け止める余裕も器も
今のわたしには足りなかった。
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4426人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なゆ(プロフ) - SnowMan目黒蓮くんのお話で全く同じ作品あるんです。今日読んでて佐野玲於ver知ってるなぁと思ったら、タイトルも見出し？も内容も全く同じでした。きなこさんが書いてるのかと思ったら作者は違う方です。一度確認してみて下さい、、、。 (2021年8月18日 4時) (
レス) id: 1e103a7bc3 (このIDを非表示/違反報告)
ri(プロフ) - こんばんは。いきなりコメントごめんなさい。このお話2年前ぐらいに読んでから、すごい好きで定期的に読みたくなるんです。とっくにLDHのファンをやめたのに、懐かしくなって玲於くんのお話別作品も読ませていただきました。とても素敵でした。 (2020年6月18日 1時) (レス) id: c2ce5189fe (このIDを非表示/違反報告)
meiichikawa(プロフ) - とてつもなくこのお話が大好きです。 (2018年8月31日 18時) (レス) id: cd3e6473be (このIDを非表示/違反報告)
Neon - このお話にどハマりしてます。もう何回読んだことか､､玲於くんの不器用さがすごく伝わってきてどんどん続きが見たくなる！そんな感じのお話で、ほんとに読みながらキュンキュンしてます(/ω＼)これからも小説頑張ってください！！ (2018年2月12日 14時) (レス) id: adc5307a56 (このIDを非表示/違反報告)
honoka - この話すっごい好きです。主人公を応援したくなるし、何回よんでもあきません。せつないし、嬉しい！とか表現があって。ほんまに大好きです！占いツクールを初めて開いた時から読んでいまだに、たまに読んだりします！ (2017年12月26日 0時) (レス) id: fb70c0baa4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きなこ
| 作成日時：2016年11月10日 21時
