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お呼び出し ページ20

Aside






A「…も、もしもし…」





声が震えて、カタコトになる。


電話って 会って話す時よりも緊張しちゃうの。





玲於『A、今どこ?』


A「えと、駅の近く。さっき事務所出たから…」


玲於『え、まだそんなとこ?』


A「どうしたの?」


玲於『今、お前ん家の近くの駅にいるから。来て。』


A「…え?」


玲於『寒いから早くしてよ。』






それだけ言い残して、ブチ切り。



ツーツーって鳴り響く携帯を手に立ち尽くす。






相変わらず一方的だし

わたしの都合なんて全然考えてないし

そもそも有無を言わさない態度で



こんなワガママすぎる歳下くんなのに




…はあ、なんでこんなに嬉しいんだ、わたし。





小走りで駅に向かって

ちょうど着いてた電車に飛び乗った。



最寄駅に着くまでの数分間

周りの目も気にしてられなくて、スマホケースについてる鏡で必死に前髪を整える。



電車を降りてトイレに駆け込んで

リップとチークを直して…






A「玲於くん、」


玲於「…おせえ。」





駅に出てすぐ、改札のそばに立ってた玲於くん。



ポケットに手突っ込んで

マスクして、伊達メガネ。



…なんか、悔しいけど

玲於くんの顔見るだけで 心があったかくなる。






A「なんでここに、」






いるの?




そう聞こうとした言葉の途中に

わたしの手首を引いて、スタスタ歩いてく玲於くん





掴まれたとこがドキドキして

それが玲於くんに伝わっちゃいそうで






A「…玲於くん、」


玲於「…ラーメン食いたい。」


A「…ラ、ラーメン?」


玲於「うん。こんな時間に呼び出して来てくれんの、お前くらいしかいないから。」





まあまだ家じゃなかったなら丁度よかったね


なんて笑いながら言ってる。




…ずるい

ずるすぎる。




自分が好かれてること知ってて、そんなこと言うんだ。


それなのに、わざわざわたしの最寄駅に来てくれたりして。







A「…もう、やだ。玲於くんずるい。」


玲於「はあ?なんでよ、誘ってやったんだからむしろありがとうでしょ。」


A「…ありがとう。」


玲於「いや突然素直すぎ。笑」






わたしの一歩前を歩く、この背中




お昼に聞いた わたしのことを心配してくれてるって話も


ラーメンが食べたい夜にわたしを思い出してくれたことも






たったそれだけなのに、こんなにも嬉しい。



ラーメン→←ココア



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なゆ(プロフ) - SnowMan目黒蓮くんのお話で全く同じ作品あるんです。今日読んでて佐野玲於ver知ってるなぁと思ったら、タイトルも見出し?も内容も全く同じでした。きなこさんが書いてるのかと思ったら作者は違う方です。一度確認してみて下さい、、、。 (2021年8月18日 4時) (レス) id: 1e103a7bc3 (このIDを非表示/違反報告)
ri(プロフ) - こんばんは。いきなりコメントごめんなさい。このお話2年前ぐらいに読んでから、すごい好きで定期的に読みたくなるんです。とっくにLDHのファンをやめたのに、懐かしくなって玲於くんのお話別作品も読ませていただきました。とても素敵でした。 (2020年6月18日 1時) (レス) id: c2ce5189fe (このIDを非表示/違反報告)
meiichikawa(プロフ) - とてつもなくこのお話が大好きです。 (2018年8月31日 18時) (レス) id: cd3e6473be (このIDを非表示/違反報告)
Neon - このお話にどハマりしてます。もう何回読んだことか、、玲於くんの不器用さがすごく伝わってきてどんどん続きが見たくなる!そんな感じのお話で、ほんとに読みながらキュンキュンしてます(/ω\)これからも小説頑張ってください!! (2018年2月12日 14時) (レス) id: adc5307a56 (このIDを非表示/違反報告)
honoka - この話すっごい好きです。主人公を応援したくなるし、何回よんでもあきません。せつないし、嬉しい!とか表現があって。ほんまに大好きです!占いツクールを初めて開いた時から読んでいまだに、たまに読んだりします! (2017年12月26日 0時) (レス) id: fb70c0baa4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きなこ | 作成日時:2016年11月10日 21時

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