hairsalon【SixTONES】 (ページ12)

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貴方side

「ん、いい感じ！」

1束髪を掬い、カラーの具合を確かめた店長さんは

満足そうに、私にシャワー台へ移動を促してきた。

「流していくからね～」

椅子を倒され、身を預ける。

「シャンプーしてくね！痒いところとかない？」

一つ一つ確認しながら洗ってくれる。

短時間だけれどこの時間が少し心地いい。

洗う手が止まりキュッと水を止める音、

離れていく手に名残惜しさを感じつつ

身体を起こされる。

「お疲れ様でした～。さっきのカット台で髪乾かすね！」

ゴーとドライヤー独特の重低音が

耳元で唸りをあげる。

真剣な眼差しで髪を乾かしてくれる店長さんに

思わず見とれてしまう。

鏡越しで目が合えばニコッと微笑んでくれる。

可愛げもなく目を逸らしてしまい

少し自己嫌悪。

ドキドキとした胸の高鳴りを自覚してしまえば

顔に熱が集まってくるのがわかる。

顔…あっっつい……////

「よし！完成!!!!」

1人心の中でゴチャゴチャ考えているうちに

しっかりと髪がセットされていた。

貴「うわぁ…可愛い」

「でしょ！よく似合ってて可愛いよ」

貴「か、かわ…///」

「照れてるのー？可愛いねぇ」

人の反応を見て喜んだのか

ニコニコと笑いながら頭をポンポンと撫でてくる。

「よし！大我～！お会計～！」

背中をぽんっと押されお会計を済ます。

「見送るよ！」

《ありがとうございました～》

店内のスタッフさんからお見送りの声をあとに

店長さんと店の外へ出る。

「今日は来てくれてありがとうね！あ、そうだこれ。」

差し出されたのはショップカードだった。

貴「ありがとうございます…」

「予約、次する時電話かけてね！」

と店長さんは親指と小指を立て電話のポーズをとる。

「あ、あと…今度は高地さんって名前で呼んでね」

耳元でそう呟かれた

「今日店長さんとしか言われなかったから寂しかったな～！それじゃ、またね！」

ニヤッと笑った後に軽快なお手振りで

ばいばいと見送られる。

精一杯の笑顔で手を振り返し彼が

店内へ戻るのを見届ける。