ファースト・ラブ (ページ11)

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テレビで見たことのある大阪の場所を周り、いつの間にか夕日も沈みかけていた。

朝ドラの内容は外部に出たらまずいし、外で泣く演技をしたらまずいとの事で、私の家でやることになった。

「ダンボールばっかやな」

「うるさい」

うるさいのイントネーションが自分でもわかる関西弁のイントネーションになっていて、はっ！と思い口を押え、彼を見るとニヤついてはいなかった。関西弁でニヤつくんのじゃないのかもしれない。

「どのシーンの読み合わせしよか」

飲み物の準備などをしていると彼は私のいたキッチンまで来て聞いてきた。

もし、彼氏と同棲したらこんな感じなんかなって思うと心が弾んだ。
これが彼じゃなければ心は平常心だろうけど、彼だから、大吾くんだから、心が弾む。

「20週がクライマックスらしいけどまだ本来てないから、どこやろうか迷うよね」

今撮影してるのは14週。20週を撮影するのはちょうど2ヶ月経ったときぐらいだろう。

「んー、どうしよっか」

その前にお腹がなりそうだった。
どのシーンをやるか考えているけれど、お腹を鳴らさないことに気が取られる。

なっちゃダメ、なりそうだけど、なっちゃダメ

そう自分にまじないをしていると、微かにグゥー、と聞こえた気がする。

でも今のは私じゃない。そう思って彼の方を見ると少し耳を赤めて「、、きこえた、、？」と聞いてきた

コクッと頷くと「コンビニ行こう」と提案してきた。

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