今日こそナンパしたい ページ10
【2005年 7月6日】
Aside
『今日こそ女の子をナンパしたい』
そう意を決して、放課後私は街に出る。
今日は可愛い女の子がたくさんいた。清楚からギャルまで色とりどりだ。私は今から、この中からお友達になれそうな子に声をかけるのだが…
『…』
少し狭い道に、複数の男が路地裏に入っていくのが見えた。そしてチラッと見えたのは、高校生が履くであろう制服のスカート。
私は勿論見逃せる訳がなく、その路地裏へと足を運ぶ。
少し進んだ角で私は動きを止める。その先は行き止まりとなっており、女子高生を壁に追い込むように男たちは逃げ場を塞いでいた。
「ほら、脱げ」
わぁ〜お。ド直球だね…って、感心している場合じゃないか。
女の子に乱暴はいかんなぁ。
『はーい、ストップ』
「あ?」
『その子から離れな』
「何だ?テメェ」
『私が相手してやるから、その子を逃がして』
男どもの視線は、一気に私に集まる。そのうちの一人は、私の体を舐め回すように見る。正直気持ち悪い。さっさとぶん殴って帰りたい。
「へへっ、テメェも良い体してんな。いいぜ、お前が相手してくれよ」
男どもは、今度は私を囲うようにして立つ。それと同時に、私が舐めていたチュッパチャプスが砕ける音がした。
すると、桃色の髪をした女の子が私に声を掛けてきた。
「待って、貴方は逃げていいから…!」
『…大丈夫。私強いから』
「…え?」
瞬間、私は自分の後ろにいた男の腹部を蹴り飛ばす。その男は奥まで吹っ飛び、それを見ていた男どもは一瞬怯むようにして一歩引く。
『ほら、かかって来いよ。相手してくれんだろ?』
数分後、その場にいた全員を片付けた私は、倒れている中から一人を適当に選び、胸ぐらを掴みながら体を起こす。
『お前らどこの組だよ』
「め、愛美愛主です!!!」
『愛美愛主…か。覚えたからな。二度とこんなふざけた真似すんなよ』
「すみませんでした!!!」
その言葉を全部聞くことなく一発殴ると、その男は今度こそ気絶した。そして私は、ずっと壁際に立っていた女の子の方に顔を向ける。
『怪我はない?』
「あ、はい!」
『とりあえずここから出よっか』
そう言って私が笑うと、女の子もどこか安心したかのように笑った。
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