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もう戻らない愛 ページ42

Aside







私は、病院に着く駐車場にバイクを止める。さっきお父さんが言っていた言葉の意味を知りたい。早くお父さんに会わなければいけない気がした。私は走って院内へと入る。すると、受付カウンターの看護師さんが私を見ると何か焦ったような顔をしてこちらに駆けつけた。







「鬼龍さんっ!良かった。
今お電話しようと思っていた所なんです」

『どうかされたんですか?』

「お父様が、部屋にいらっしゃらなくて」

『…え?』

「先程お薬摂取のお時間だったので、一人の看護師を行かせたのですが、その時にはもう…」







そこで私は疑問に思った。さっき電話した時に、確かにお父さんの部屋に入って来た人がいた。時間も、いつも薬を摂取している時間帯だった。あの時来たのは看護師さんじゃないの?じゃあ誰?誰があの時お父さんの部屋に入ってきたの?







『…父は、院内にいるんですよね?』

「はい。そのはずです」

『私も探します』







ここは都内にあるかなり大きい病院。私に、父を見つけることは出来るのだろうか。でも、見つけなきゃいけない。私は無我夢中に走った。院内なんて関係ない。そんな事考えてられない。走って、走って、走りまくった。すると、どこかの曲がり角でドンッと誰かにぶつかった。







『ごめんなさ…って、半間?!』

「おぉ、Aチャン♡」

『何でアンタがここに…って今はどうでもいい。あのさ、少し体が痩せ細った四十代くらいの人見なかった?私のお父さんなのっ!』

「おぉ、必死だねぇ。
……確か屋上に誰か向かってたような気がすっけど」

『屋、上』







その時、お母さんが死んだ時の事を思い出した。私は半間に「ありがとう」と言いながら屋上へと向かった。







「……哀れだねぇ、Aチャン」















屋上は階段を使わないと行かれない。私は無我夢中で階段を登った。けど、既に私の顔は汗ではなく涙でぐちょぐちょだった。どうしても“最悪”な事態を考えてしまう。その度に大丈夫だと自分に言いつける。きっと、たまたま風に当たりたかっただけ。看護師さんに伝え忘れちゃっただけ。

_________そうでしょ?お父さん。




私がバンッと屋上の扉を開けて父の名前を叫ぶ。自分の名前が呼ばれた気がして、右を向く。そこには泣いているお父さんがいた。







「…A」

『お父さっ!』

「愛してる」







そして、お父さんは安心したように笑うと、そのまま下へと落ちていった。

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ひめ☆そら(プロフ) - かかさん» そう言って頂き光栄です!ありがとうございます! (2021年7月9日 13時) (レス) id: f06e616829 (このIDを非表示/違反報告)
かか - 更新楽しみです!無理せず頑張ってください! (2021年7月9日 6時) (レス) id: b7e78c6068 (このIDを非表示/違反報告)
ひめ☆そら(プロフ) - 雪見大福さん» ありがとうございます!!無理せず頑張りたいと思います! (2021年6月6日 13時) (レス) id: f06e616829 (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - これからも無理せず頑張ってください (2021年6月6日 11時) (レス) id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひめ☆そら | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年5月30日 17時

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