【佐野万次郎】幻の副総長

出会ったあの日を ページ33

Aside







「…これはかなり重度の鬱病ですね」

『鬱、ですか』

「はい。しかも父子家庭となれば可能性は十分に有り得るかと」







「暫く入院が必要ですね」と言うお医者様に、私は大人しく従った。


でも、今までお父さんに鬱のような症状は無かった。いつも笑顔で優しくて、会社の愚痴も一切聞かなかった。なのに、何で。私が苦しめてた？私が外で喧嘩ばっかりするから？私がお父さんの重荷だった？私は、お父さんの支えにもなっていなかった？



あぁ、ダメだ。また悪い方に思考がどんどん進んでしまう。







「＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿A！！！！」


『っ』







その時、声が聞こえた。私の大好きな人の声が。私はゆっくりと声のする方へ振り返る。








『…“まんじろ”、“けいすけ”、』

「おじさん大丈夫か！」

『…鬱だって。かなり重めの。入院するって』

「鬱って、おばさんと一緒か」

『うん。………怖かった』







二人が来て安心したのか、自然と涙が溢れた。マイキーは私の頭をずっと撫でてくれた。バジリンは隣にそっと座ってくれた。二人は、私が辛い時いつも傍にいてくれる。私にとって世界で一番大切な人たち。この二人と出会ったあの日の事は、今でも鮮明に覚えている。







・





「お前らよく聞け！今日から仲間が一人増えるぞ！」

『き、鬼龍Aです！お、押忍！』









【鬼龍の過去編スタート】

独りぼっちは寂しいから→←これが現実というのなら

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