【佐野万次郎】幻の副総長

ナンパしに来た ページ4

Aside







『あ、バジリン』

「お前…良くこの姿で分かったな」

『何年の付き合いだと思ってるの』







時間は飛んで放課後。私は今朝話したように女の子にナンパしようと街に出ていると、東京卍会一番隊隊長兼幼馴染みの場地圭介と出会った。

今、彼は留年しており、彼の素性を知っている私からしたら鬼を被った優等生だ。







「で、んなとこで何してんだ？」

『可愛い女の子ナンパしようと思って』

「は？」

『だから可愛い女の子をナン…』

「分かってる。分かってるけどなんで女？」

『男ナンパして着いてくるやつなんてろくな奴じゃないでしょ。そんな奴相手にしたって時間の無駄』







「それなら女友達増やした方が良い」と説明すると、バジリンは呆れたように笑って、「お前らしいな」と頭を撫でてきた。







『…』

「どうした、黙り込んで」

『いや、バジリンってやっぱイケメンだよね。これからご飯食べに行かない？』

「ナンパの対象女だろ？」

『バジリンなら大歓迎』

「んー、じゃあラーメンでも食い行くか」







ニコッと笑った後に眼鏡を外し、結っていた髪を解きながらバジリンは私の一歩先を歩く。

そんなバジリンを追いかけるように、私は走る。







『バジリンの奢りね！』

「はぁ？ナンパしてきたのAだろ」

『場所決めたのはバジリンだもんね〜』

「ったく、仕方ねぇな」

『やったー！』

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