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動き出す歯車 ページ13

Aside







“あの日”みた夢の内容は、今でも覚えてる。未来の、ある日の夢だった。私には娘がいて、父親は…分からなかった。父親の情報は一切無かった。最初は「これが正夢にならなきゃいいな」なんて思いながら夢を進めて行ったが、夢の終盤で、その思いは強まることとなる。





___私は、“誰か”を救おうとしてマイキーに撃たれた。





その時、夢の中で私は娘をケンちゃんに預けていた。「もし、私に何かあったらその時はお願い」と、そう残して。そして、私は死んだ。




だから、目を覚ました時は涙で枕は濡れていて、マイキーが慌てたような顔をしていたのを覚えてる。







『…タケミッチ、ね』







誰かを助けようとした、その“誰か”。私の記憶が正しければ、確かに私はあの時“タケミッチ”と、確かにそう呼んでいたのを覚えている。


だから、今朝マイキーたちに言った“見たことも聞いたこともない”というのは真っ平の嘘だ。朝は寝ぼけていて記憶が曖昧だったが、今ハッキリと思い出した。





しかし、数年前に見た夢に出てきた人物と現実で会うなんてありえるのだろうか。それも未来の夢の人物と。まぁ、私が見ているのは予知夢ではないただの夢だ。夢は夢でしかない。いつもならそう思えた。けど、私は先日夢を見たばかりだった。それも、あの日と同じで涙を流すような内容を。





これは“偶然”なのだろうか……いいや、違う。まるで何かの運命(さだめ)のように、歯車がギシギシと動き出しているのは事実だろう。


これが一体何の歯車で、何を意味しているのか、今の私には到底分からなかった。















それから暫く外で待ってると、昇降口から見慣れた不良二人と一人の少年が出てきた。あの少年がきっと“タケミッチ”なのだろう。そして、それに続くようにヒナタが出てきた。







『…ヒナタ?』







私は咄嗟に彼らの元へと駆けつけた。駆けつけたのと同時に、ヒナタは思い切り頭を下げて謝罪していた。一方、謝られたマイキーは頬をさすってはいたものの、気にしていないようだった。







『やっほーヒナタ』

「あれ、Aちゃん?どうしてここに?」

『コイツらの連れ』

「Aちゃんこの人たちとお友達だったんだね。じゃあ武道くんも?」

『…いーや、タケミチくんとは今日が初めましてだね』







私はここで初めてタケミッチと目が合った。彼は少し驚いた顔をして、どこか真剣な眼差しで私を見た。

初めましてタケミッチ→←タケミッチに会いに行こう



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ひめ☆そら(プロフ) - かかさん» そう言って頂き光栄です!ありがとうございます! (2021年7月9日 13時) (レス) id: f06e616829 (このIDを非表示/違反報告)
かか - 更新楽しみです!無理せず頑張ってください! (2021年7月9日 6時) (レス) id: b7e78c6068 (このIDを非表示/違反報告)
ひめ☆そら(プロフ) - 雪見大福さん» ありがとうございます!!無理せず頑張りたいと思います! (2021年6月6日 13時) (レス) id: f06e616829 (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - これからも無理せず頑張ってください (2021年6月6日 11時) (レス) id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひめ☆そら | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年5月30日 17時

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