いつもの朝 ページ2
【2005年6月下旬】
Aside
「おい起きろ、遅刻すんぞ」
『んんん…既にしてる』
私の一日の始まりは、少し低い声を持つ彼に体を揺さぶられる所から始まる。ちなみに毎朝私を起こしてくれるのは、東京卍会、副総長の龍宮寺堅。通称ドラケンである。でも私は“ケンちゃん”って呼んでいる。
ケンちゃんは、ドレッサーの横にコンセントを引っ掛けていたヘアーアイロンを取り出し電源をつけた後、クローゼットから私の制服を取り出す。
『ケンちゃん、いつも思うけど無闇に異性のクローゼット開けるのやめなよぉ』
まだ眠気が残っているせいか、語尾を伸ばすという普段は絶対に行わないであろう言葉を発してしまう。寝ぼけてはいるが、今の時分が最高に気持ち悪いことだけは分かる。
「お前の下着ももう見慣れたからさっさと着替えろ」
『ねぇ私を何だと思ってるの?』
「着替えたらここ座れよ、髪セットしてやるから」
『無視かよ』
ケンちゃんは私が制服に着替えている間に、脱ぎ散らかしたエマとお揃いのパジャマを綺麗に畳んでくれた。
制服に着替えてドレッサーの前に座ると、ちょうどヘアーアイロンが程よい温かさになったのか、ケンちゃんは一度くしで私の髪を通した後にそれを使い始めた。
「今日も三つ編みでいいのか?」
『うん!ケンちゃんがやってくれる髪、学校で結構人気なんだ〜』
「そりゃ良かったな。熱かったら言えよ」
『はーい』
そしてケンちゃんは、私のクリーム色で毛先にかけてグラデーションされているピンク色の髪を結び始めた。
いつも鏡越しで楽しそうに私の髪をいじるケンちゃんを見ながら私は微笑んだ。
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ひめ☆そら(プロフ) - かかさん» そう言って頂き光栄です!ありがとうございます! (2021年7月9日 13時) (レス) id: f06e616829 (このIDを非表示/違反報告)
かか - 更新楽しみです!無理せず頑張ってください! (2021年7月9日 6時) (レス) id: b7e78c6068 (このIDを非表示/違反報告)
ひめ☆そら(プロフ) - 雪見大福さん» ありがとうございます!!無理せず頑張りたいと思います! (2021年6月6日 13時) (レス) id: f06e616829 (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - これからも無理せず頑張ってください (2021年6月6日 11時) (レス) id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
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