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◎ 田中
仕事が終わってマネージャーの運転する車で自宅に帰ってきた。合鍵を使って入った部屋の持ち主は俺ではなく俺の天使だ。
彼女と俺が住んでいるマンションは同じ。そして隣同士だ。万が一、一緒にいるところを見られたとしても隣同士なんでといえば納得されるだろうから。
明かりをつけてソファーに座り彼女の帰りを待っているとガチャリと扉が開いた。ただいま〜、と大好きな声が聞こえてきて俺は玄関まで彼女を迎えに行く。
「 おかえり、お疲れさま 」
『 樹くんもね 』
「 やば。かわいい大好き 」
『 全部漏れてるよ、 』
帰ってきたばかりの彼女が可愛過ぎて俺は思わず抱き寄せる。ふわっと香る香水は俺とお揃いのやつ。
『 樹くんお腹空いた? 』
「 空いたー 」
『 じゃあご飯作るからお風呂沸かしてくれる? 』
「 ん、その前にいい? 」
『 …んっ、 』
アイツらの前でするキスとは少し違う長めのキス。顔を真っ赤にさせて頑張って着いてこようとする彼女に思わず理性がぶっ飛びそうになるけれど我慢。
純粋で穢れなくて、純白の心を持った彼女を傷つけたくない。守ってあげたい。
俺が初めて心から好きだと言えた、それがメイ。
付き合い始めてもうすぐ1年。俺の愛は収まるどころかどんどん増していく。
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作者名:ひな | 作成日時:2024年3月28日 12時