・ ページ15
.
【012の続き】
彼と連絡先を交換してからはよく連絡を取るようになり、だいぶ仲良くなる事ができた。何度かふたりで遊びにも行ったし、仕事終わりにご飯に行くこともあった。
今思うと当時の彼はデビューしたばかりで仕事も多く休みも少なかったはず。それでも合間の休憩時間や貴重な休みを私のために使ってくれていた。
そんな樹くんに恋をしていたと気づくのはもう少し先の話。
樹くんと仲良くなって3度目の春。私は紫耀くんと優太くん、そしてジンくんと一緒にSixTONESの東京ドーム公演の見学に来ていた。
公演終わり、楽屋を訪れるとSixTONESのみんなが快く迎えてくれて私たちは彼らにライブの感想を伝えた。
しばらくして樹くんに声を掛けられ、やって来たのは楽屋から少し離れた非常階段の踊り場。
真剣な眼差しで私を見つめる彼。
田中「 メイちゃんが好き 」
最初はからかっているのかと思ったけれど、彼の真剣な姿は冗談を言っているようには見えなかった。
『 ほんとに、? 』
田中「 本当。メイちゃんが良ければ俺と付き合ってください 」
私も自分の気持ちを伝えたいのにそれよりも先に涙が溢れて言葉が出てこない。
田中「 え、泣くほど嫌だった…? 」
『 ちがっ、嬉しくて、言葉出てこなくてっ、 』
田中「 …それはOKとみなして良いの? 」
涙を拭いながら頷くと彼は私を抱き寄せた。私の視界が樹くんでいっぱいになる。
田中「 俺今すっごい幸せ 」
私もだよ、と言うと樹くんは私にそっとキスを落とした。
きっと私たちは世界で一番幸せだ。
.
690人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ひな | 作成日時:2024年3月28日 12時