嫉妬心 ページ13
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◎ 田中
俺は今少し機嫌が悪い。
何でかって?それはこの間2人で話し合ってオファーを受けることにしたメイが主演を務めるドラマが原因。
『 樹くん、ごめんね 』
「 北斗が相手役とか聞いてねぇし 」
『 本当ごめん、私もオファー受けた後に知らされて、 』
本当はメイが俺以外の男とイチャついてるドラマなんか観たくない。でもそれを言ってしまえばメイの努力を無駄にしてしまうんじゃないかと思って我慢していた。
バカだよな俺。信じてるって言ったくせに結局機嫌悪くしてメイの事困らせてる。
『 樹くん 』
少しの沈黙の後、名前を呼ばれてメイの方に顔を向けると彼女の綺麗な顔がぐいっと近づいてきてそのまま俺の唇に触れた。メイからキスをされたのはこれが初めてだった。
ゆっくりと顔が離れて少し顔を赤らめたメイは俺の目を見ながら口を開く。
『 私には樹くんしか見えてないんだよ。これからもずっと私には樹くんだけだから。 』
彼女の大きくて綺麗な瞳が真っ直ぐに俺を見つめる。
「 ごめん、俺北斗に嫉妬してた 」
『 知ってる。初めて見たよ嫉妬樹くん 』
「 俺、結構嫉妬してるよ? 」
『 うそ、気づかなかった 』
正直に言っちゃうとキンプリにだって多少の嫉妬心はある。だって距離近いし。特に廉。アイツらに嫉妬した所で意味なんかないのは分かってんだけどね。
それでも俺が好きなのはメイでそれに変わりはないから。だからメイも同じ事を言ってくれてだいぶ安心できた。
彼女を好きになるまで永遠なんて誓えないってずっと思ってたけど……メイになら誓えるよ、永遠の愛。
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作者名:ひな | 作成日時:2024年3月28日 12時