The duet never ends!【ONEPIECE】 (ページ2)

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ヒツギ島ページ2

「Aさんは何故ここに?」
「私はここに幽閉されているんです。ここは島の監獄のひとつです」
「幽閉!?なんでまた......」

愕然とする彼にAはこの島の現状について語った＿＿自分が既に亡き者であることも。

「ええ!?あ、あなたゴーストなんですか!?」

腰を抜かして骨をガタガタいわせて驚く彼はオバケも顔負けの迫力だった。

「私はあなたに危害を加えませんし、しようとしてもできません」

そう言ってAはブルックの胸のあたりに手を伸ばした。Aの手は彼の服や肋骨を通り抜けた。

「ぎゃあああああ!......ってあれ?本当だ、触られた感覚がありませんね。あ、私皮ふないんですけど!」
「ま、まあこういう訳で」

するとブルックは服に着いたよごれをはらい落としながら立ち上がった。

「なるほど、突然現れた王を名乗る道化が先代を倒しヒツギ島中のゴーストを管理されているということですね?」
「ええ。そして王のもとへ行った勇敢な戦士たちはみな帰ってくることはなかった」

Aの脳裏によみがえるのは希望を託した戦士たちが圧倒的な強さの前に為すすべなく倒れていく姿。果敢に歯向かった父が受けた暴力と怒号＿＿

「みんな......いつになったら帰ってくるの?」

膝を抱えるAの手にブルックは優しく白い手を添えた。

「私もね、実は待たせてる相手がいるんです。もう五十年は経つでしょうか。それでも彼は待っていてくれていると聞いて、私は何がなんでも生きて会おうと心に決めましたよ。あ、私もう死んでるんですけど!」

ヨホホホホ!と明るく笑い飛ばす彼に思わず笑みがこぼれた。

「やっと笑ってくれましたね。Aさんのような美人さんには笑顔が一番ですよ」

ガイコツなのに笑っているように見えるのも気のせいではないようだった。

「ありがとうございます。あなたから元気をいただきました」
「とんでもない、こんなことでよろしければいくらでも！あ、一曲弾きますか」
「すみません、その前に私のわがままを聞いていただけますか?今の私にはあなたにしか頼るものがなくて」
「ええ、何なりと。今だけはあなたのブルックですから」

Aはブルックとひとつの約束をかわした。彼は気負うようすもなく二つ返事で快諾してくれたのだった。