22皿 ページ22
えりなが戻ってきたので2人で駐車場に出ると、そこには呆然と立ち尽くす幸平くんが。
え、君本当何してんの？
.
「料理人に失敗なんて許されないんだから！」
バスに乗り遅れたらしい幸平くんも同じ車に乗ることになった。流石のえりなも、いくら幸平くんが嫌いとはいえ、バスに乗り遅れた一生徒を置いておくわけにはいかないらしい。
…車を用意してくれた人に説得されてたのが大きいだろうけど。
そんなこともあって、車の中ではまたえりなの幸平くんいびりが始まっていた。
まぁえりなの気持ちもわかるし、言ってることも間違ってはないんだけどね。
『まぁ確かに料理人たる者そりゃあ失敗はない方がいいだろうけど、それ以前に私たちは今学生だからね。
失敗を経て、良い料理人へと成長することもあるんじゃない？』
「お、さすが神楽坂、良いこと言った。」
幸平くんって無駄に調子のいいな。ちょっとイラっとしたので「まぁえりなの言い分も大前提だけどね」と付け足す。
お前どっちの味方だよ、と的確なツッコミをもらってしまった。ごめん、その時の気分だわ。
そこから会話が途切れて気まずくなったのか幸平くんは速攻で寝てしまった。
『忘れ物、ちゃんと見つかったようで良かった。』
「…そうね。」
『えりなにとって、宝物だもんね。』
そっと写真が挟まっているであろう手帳をなぞるえりなの横顔は、どこまでも穏やかだった。
私も最近全く見ていなかったなと思って、自分の写真を取り出す。
そこには変わらず、照れているえりなと元気にピースする私と、城一郎さんが写っている。
えりなほどではないだろうし、そんなことないと思っていたけど、やっぱり私もえりなと同じように城一郎さんに憧れているんだなと思う。
それを決定付けるように私の頰も緩んでいた。
そんな穏やかな気持ちの中、合宿疲れからか車の揺れに合わせていつの間にか寝てしまっていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 266人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
水愛(プロフ) - Ｒ!Ｎさん» コメントありがとうございます！これからも頑張っていくので、よろしくお願いします！ (2019年10月22日 7時) (
レス) id: b9ec477e49 (このIDを非表示/違反報告)
Ｒ!Ｎ(プロフ) - とても面白いです！頑張ってください！ (2019年10月21日 23時) (レス) id: 5067a2983b (このIDを非表示/違反報告)
水愛(プロフ) - チョコ味噌スープさん» ありがとうございます！コメントもらえてすごく嬉しいです。これからも頑張っていくので、よろしくお願いします！ (2019年10月19日 23時) (レス) id: b9ec477e49 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ味噌スープ - 初感想頂きました！！頑張ってください！応援してまぁす！ (2019年10月19日 22時) (レス) id: 956f84dad7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：水愛 | 作成日時：2019年8月13日 16時
