純白の天使 (ページ5)

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5話ページ5

「レイちゃんは真面目やねぇ」

本当に真面目だ。

「そう？」

「うん。めっちゃ真面目やん。どうしてそこまで頑張れるん？」

「んー…パパたちと一緒にあるけるから！」

「そっか。」

そう言うグルッペンの養子として引き取られたレイちゃん。アルビノと言う奇病に掛かっており、日の光を苦手とする。
そして人身売買の標的にされやすくて、バラバラに売られてしまう事だってある。現にこの子の片腕と指と両足は無い。

「パパッペンと歩く事以外何かないの？」

「えっと…うーん…あ、ぞみゅさんとお遊びするやくそく！」

「まさかの予約制。」

そんな容姿で狙われやすいのに我ら総統閣下は養子として引き取った。勿論理由は把握済みめう。
個人的な悲哀と貴族界での面倒ごと避け。こう聞くと冷酷な男が幼女を引き取るっと言った感じに聞こえるが案外、彼も父としてちゃんとしている。

だからそんなこの子が半分好きで半分嫌い。
そんなに真面目に勉強やら見出し等々の作法を真剣に聞いて身に付けてどうするん。

俺はずっと疑問でしか無かった最低限の事だけ教えて守るだけじゃ駄目なのかと。これからこの子はきっと有能になって行く。総統閣下の娘と言う肩書でさえ狙われやすいのに。その上にその可憐で美しい容姿もある。

「レイちゃんはさ」

「なあに？まんちゃ」

「お勉強とか嫌になったりせえへん？」

「ううん！楽しいからそうはおもわない」

「そっか。幸せ者やね。」

どうしてなんだろう。
有能になればなるほど、君は上手い事操られ捨て駒の様に使われるかも知れない恐怖があるのに。
それなのに君は有能に自ら無意識になろうとしている。

幼少期に沢山習わされたものたちの数々は結局は親を喜ばせる為だけの道具であって、俺の為ではない。
名誉の為に言いくるめられていただけ。

『貴方は凄いわ。何だって出来るのだから』

『流石は俺の子だな。これからももっと頑張るんだぞ。』

『わかりました。とおさま、かあさま』

甘い、甘い、誘惑の言葉。
優しく褒める事で子供はその言葉に素直に信じる。
疑う事もなく。

よく子供は大人より顔色をよく見ると言うが、実際それは個人差があると思う。

欲しい物の為に、親から出される課題を難なくこなす事で都合の良い捨て駒が完成する。

そこに愛情なんて無い。
あるのならきっとそれは幸せな家庭なんだろう。

だから俺は君が嫌いで好き。
大人に判断を任せる所は嫌いけど、こうやって嬉しそうにしてくれるには好き