純白の天使 (ページ25)

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25話ページ25

「よく見つけましたね。首都を中心とした地図を見つけるなんて。」

移動中にそうエーミールから言われた。
確かにまぁ、あれはゾムのおかげやな。

「ここの首都ってヘリでどれぐらいやっけ。」

「ざっと40分。あそこで手こずらせるつもりやったんやろうけど運が悪かったな。」

銃を確認しながら俺はそう言った。
事実だ実際。

「着陸は出来ないので上からになりますけど。」

「ええ？！ダイビングは嫌やめう！！」

「つべこべ言うな行くで。」

「ああ～～？！」

これだから嫌やわ！
戦闘ちゅうもうんは！

潜入チームはそれぞれ別れての捜索らしい。
まぁ、その方が的確やろうけど。
居なくなって6時間半経過。
これは相当気ぃ引き締めんといかんな。

少し二階建ての小綺麗なアパートっぽく見えるがそれはただの騙し絵と一緒。地下はこれでもかと言うほど伸びていた。ざっと五層程度だろうか。その分入り組んでいてセキュリティも頑丈。ロボロのハッキングにも限度があった。

「万が一はこのロボロ策の板を貼り付ければええんか？」

「ロボロが言うにはらしいで。てか、なんでプロテインのロゴにしたんやろ…」

カモフラージュよりかは筋肉オタク感が凄いし絶対バレる。

この地下には中ボス的な存在はいない。
だが兵力は阿保みたいにウジャウジャといた。
まさにアリの巣。的確やな。

「こんなに兵士を雇ってまでもバレたくないんちゅうか…」

＜そっちはどうっスか？＞

「兵士の残骸って感じやな。どっから湧いて出てくるんやら…」

＜こっちも同じ状況っス。他の人たちもそうっぽいっスね。＞

「これだと、ますます地下深くに行けんぞ…」

「正しくそれが狙いやろ。あの国は兵力なんぞまともに無い平和主義国家やしな。力より数って思考なんやろうな。」

「ほんな、集合場所は変更して最下層にするか。あ、持って来たもん貼り付けんの忘れんなよ。」

そうトントンが言えば通信機から各々の返事が返ってくる。そしてちょうど良いタイミングでロボロの通信が入った。

＜地下は取れる場所だけ取っておいた。セキュリティに関しては緩める事しか出来んかったわ。＞

「ええよ。お疲れ様。そんで、どんな感じや？」

＜裏でリアルタイム映像が上がってた。ここはやっぱり闇商売や。“珍しい”を対象に様々な人種の人達が解体ショーされてる。＞

事は一刻に争うらしい。
今から6時半だ。

＜ほんで、目玉商品としてグルッペンとレイちゃんや＞

これは本当にまずい。