18話 ページ18
「俺が貴族が嫌いなのは、悪い貴族しか見たことあらへんから。善意のある貴族もおるかもしれへん。やけど、貴族は安易に信じたらあかん人間やからな。」
「トンは、嘘つきがきらいなの…？」
「んまぁ、そなとこやな。」
「そっか…」
マジックミラーに映る貴族達は健気に楽しそうな会話を弾ませていた。レイに映るそのルビーのような瞳からは信じられなかった。
自分より綺麗な人達が嘘つきだと言う事に。
そんな思いを知ってか知らずか、トントンは口を開いた。
「誰かを信じるのもええかも知れない…けど、深く信じ過ぎるのもアカンな。それは、ただの依存や。」
「いぞん…？」
「常にその信じてる人が近くに居らへんと不安になるちゅう事やな。」
「わたし…」
「レイちゃんはグルさんが居らんくて怖い？」
「う、ううん！とんやまんちゃとか、うつさんやしょぴさんとかいろんな人がいるから…！」
「そっか。」
すると用事を済ませて来たグルッペン達は戻って来た。グルッペンはレイの姿を見るなり抱き上げた。
「もー嫌だゾ…」
「お疲れ様やな。」
少し驚くレイにグルッペンの後ろにいたオスマンはレイにジェスチャーを送るとレイは分かったかのように頷いた。
「パパ…お疲れ様…です」
そう言ってレイの小さな手はグルッペンの金糸のような髪を撫でた。
「あ〜…癒しなんじゃ…」
「マジで親バカになったな。」
「この後も行くのか…」
「大変そうやな。」
「次はお前も道連れじゃ。」
「いや、レイちゃんどうするねん。」
そう言うトントンにグルッペンはレイを見る。
レイは良く分からず、コテンと首を傾げた。
「次は全員で行動だ。ついに始まるゾ。」
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作者名：更新不定雑飽子 | 作成日時：2020年1月3日 21時
