純白の天使 (ページ14)

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14話ページ14

「絵本のおひめさまみたいな服を着るの？」

「そうですね。グルッペンさんは有名な血族の長男ですから。」

「けつぞく…？」

「とても…そうですねぇ…王様と王子はどんな関係でしょうか？レイちゃん。」

「えっと、おやこ！」

「そうです。」

「けど、そのけつぞくと関係あるの？」

「王と言うのはそもそも、貴族と言う功績(こうせき)や血縁などで認められた人や一部を指します。王は大まかに言うとそのトップですね。」

「つまり、パパは王様なの？」

「どちらかと言うと王子です。グルッペン・フューラー王子ですね。けど、この話はグルッペンさんが嫌がるので私との秘密ですよ。」

「分かった！」

そう言うエーミールに頷くレイだった。

貴族交流会には種類がある。
一つは家柄で行われる小規模な交流会。もう一つは、世界的有名な貴族達による交流会である。
今回はその後者である。主に行われる内容としては、主催者によって決まる。

それをグルッペンは極度に嫌っていた。
理由はまた複雑で泥沼の闇のように深く、一度知れば世界が一変するかのように見えてしまう程だ。

世の中は知って良い事と知らない方がいい情報で溢れていると確信するほどである。

白のフリル付きロリータワンピースの上には黒のロングコートに銀色のリボンが付いていた。黒のベルトブーツに白のソックスガーターと全体的に白黒とした服装であったがレイの純白のような髪に赤いステンドグラスのような瞳とマッチしどこが幻想的な雰囲気であった。

「……」

普段から着慣れない服装に少しソワソワし出すレイ。そこへカツカツと革靴の音が聞こえてきた。
黒のロングコートを肩に掛け、黒のシャツにグレーのベストと白のネクタイ。レイの着ていたロリータとマッチするような服装だった。

「…パパ！」

「おお！レイか。」

駆け寄るレイに視線を合わせるように体制を変えるグルッペン。

「似合ってるゾ。」

「えへへ…ありがとう」

少し照れながらはにかむレイだった。

「お、居った居った。グルッペンー！」

「何や」

「これ」

そう言って渡して来た人物は橙色の和服を着ており成人男性にしては少し小柄だがその分体格の良さが服越しからでも分かる。顔に天と書かれた布を付けた人物だった。

「ロ“ポ”ロ！」

「ロ“ボ”ロや。」

「これはなんだ？」

「レイちゃん用の奴や…おま、自分で頼んでおいて忘れるか？」

そう呆れながら言うロボロだった。