Emptiness behind the smile . 2 “名探偵コナン” “トリップ”

(３５)：School 2 ページ5

「本鈴鳴ったぞー。席に着けー」



「センセー隣の子彼女ー？」



「違ーう。転入生紹介するぞー」



「やっべ可愛っ」



「わかった、席に着け。質問も出来ないぞ」




ダルそうに教室に入って行く彼の後を追いかけ、私も教室に入った。
このクラスは中々落ち着きが無い。
本鈴が鳴っても席を移動していたり、未だに立ち歩いている奴も居る。




「この状態ですまんが、自己紹介をしてくれ」



「あ、はい。えーっと、アメリカから来ました、麝香 咲莉(じゃこう えみり)です。アッチ(米国)にいた時期が長かったので、日本語にはまだ不慣れですが、宜しくお願いします！」




頭を下げると、チラホラと拍手の音が聞こえる。
自己紹介中にも小声で話し声が聞こえた。
失礼極まりないクラスだ。




「麝香(じゃこう)の席は……。
空いてる所無えな、席替えするか」




彼の言葉に、余計に騒がしくなる教室。
私の自己紹介より拍手が大きいとはどういう事だ。
テロでもしてやろうか。




「今、適当にあみだくじ作ったから、名前書いていけ。
女子は麝香(じゃこう)からなー」




あみだくじを渡され、自分の苗字を丸字で書く。
本当の私の字は丸字では無いのだが、キャラ作りの為だ。
利き手も両利きに変え、左にしている。歩き方も内股にして、着る服のジャンルもごっそり変えた。




「書き終わったかー？黄色が男子でピンクが女子なー」




と、彼は言い、その色のチョークを手に取り、席の図を書いて、苗字を書いていった。
私の席は、右側の列の前から2番目。黒板は見やすいだろう。
だが、机が無いので、仕方なく担任の男と取りに行く。
コイツと2人きりとは……

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