第３４話 ページ37
第３４話
「あ、焦凍さ………え？」
「おいおい、こいつさっきあのショートとかいうヒーローと一緒にいた女じゃん」
「まじかよあいつの女？」
「何にせよこんな人気のない所にわざわざ一人でいてくれるとか、好都合すぎねぇ？」
そこに居たのは先程焦凍さんが取り押さえていたスリの３人組。この人達も逃げて人気のない所に来たかったんだろう。
立ち上がり逃げようとする私の腕を「どこ行くんだよ」と掴まれ、その場に取り押さえられる。
「な、なんですか…離して」
「何もしねぇって。じゃなきゃあの野郎を誘き出す餌にならねぇだろ。人質ってのは無傷だから役に立つんだぜ？」
焦凍さんを誘き出す？
そうか、この人達はさっきの事で焦凍さんに腹を立ててるんだ。だから誘き出して復讐しようとしてるんだろう。
また私のせいで焦凍さんに迷惑をかけてしまう。何より、こういう犯罪思考を持ってる人と私は一緒にいちゃいけない。思考を悪化させるだけだ。
そう思い「離して…！」と暴れるが、男性に力で適うはずもなくビクともしなかった。
そして暫くし「悪ぃA…遅くなった」とやってきた焦凍さんはこの状況に目を見開き立ち止まる。
「おっ、来た来た」
「……お前ら、さっきの」
焦凍さんが険しい顔で近付こうとするが、私を取り押さえる男性が「おっと、いいのか？人質取られてんだぜ？」とニヤリと笑い私の首に刃物を突き立て焦凍さんが動けなくなる。
嫌だ、足を引っ張りたくないのに…
私じゃ何も出来ない。
「何が目的なんだ…お前ら」
「とりあえず金だな。プロヒーローなんだろ、ちょっとくらい金くれよ」
「はぁ…分かった、金なら別にやるからAを離せ。そいつは関係ねぇだろ」
「誰が金だけっつったよ。俺らの邪魔した分、きっちりお前の体で償って貰わなきゃな」
男の言葉に焦凍さんがピクッと反応する。３人組の嫌な笑い声と視線が焦凍さんに突き刺さり、焦凍さんは少し黙り込んだあと小さく溜息を吐く。
「………分かった、好きにしろ。その代わりAにかすり傷ひとつでも与えたら、その時は…」
ギロッと焦凍さんが３人組を睨む。
「お前ら全員、二度と動けねぇ体になると思え」
焦凍さんの威圧感に私も含め全員がゾッとした。
これが焦凍さんの…迫力。
その雰囲気だけで普通なら逃げてしまうのに、今は人質の私が居るから男達は「っ、カッコつけてんじゃねぇよ！！」と焦凍さんに襲いかかった。
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なんだよたけしビビってんのか(プロフ) - 全作品絵が本当に美しくて初めて絵で感動しました。また伏線が所々あってその上感動するなんて天才... (2021年5月23日 2時) (
レス) id: dfdea40777 (このIDを非表示/違反報告)
あすか(プロフ) - タイトルの絵もなんかアニメ「ＰＳＹＣＨＯ-PATH」に絵柄が似てて感動。しかも、物語にもなんか感動した。 (2019年9月14日 0時) (レス) id: 2712192e09 (このIDを非表示/違反報告)
るみ - 終わり方最高です……！泣いた (2019年4月13日 21時) (レス) id: 4ab93c79dc (このIDを非表示/違反報告)
ﾌｧｱｱｱｱ(プロフ) - 絵がちょくちょく入ってくることによりなんか映画のワンシーンでも見ている気になりますね (2018年9月8日 15時) (レス) id: 01f6b2b9ab (このIDを非表示/違反報告)
トミ - すごく吸い込まれるようなお話で…次を読むのが楽しいです。 (2018年6月30日 23時) (レス) id: 3237980cf6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NAOKI
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/naoki-/
作成日時：2018年5月29日 17時
