第１話 ページ3
第１話
住宅街の小さな公園の林の中。
夜ということもあり薄暗く周りに人気はない。地面に伏せているせいで、土の匂いが間近に感じた。痛む身体を動かす気にもなれず、ただボーッとする。
「はぁ…いい匂い、やっぱり女子高生はいいなぁ」
そう言いながら私の上に跨る男は、ゆっくりと私のスカートの中に手を忍びこませ太ももを撫でた。男の荒い息が闇に消えていく。
私は何をしているんだろう。
……そうだ。放課後に先生の呼び出しを食らって、最近成績が落ちていることを怒られた。下校時間になりいつもより遅く学校を出て、家に帰る気分になれなかったからこの公園にいたんだ。
呆然としていたらあっという間に暗くなって、流石に帰ろうと思ったら急に背後から襲われた。
「なんでかなぁ、君を見てたら我慢できなくて、俺はおかしくなっちゃったのかなぁ…」
「………………」
「君のせいだよね、俺を誘惑するからさぁ」
誘惑したつもりもないけど、恐らく私のせいだ。
私の個性は『サイコパス』だから。この男に元々女子高生を襲いたい願望が強かったんだろう。きっとあと一歩の所だったんだ。
じゃなきゃ、流石に初対面の人がいきなり私の個性で完全に侵食されるなんておかしい。普通なら徐々に侵食していくものだから。
私の個性が、男の欲求を後押しした。
抵抗したら全身を殴られて痛い。だから私にはもう抵抗する意思がなくなっていた。目を瞑って耐えれば、きっとスグに終わる。
そう思って目を瞑りかけたその時、近くで足音が聞こえ私も男もハッとし目を見開く。
「爆豪お前、さっきのマスコミ対応は酷かったな」
「うるせぇ！つか何で俺に着いてくんだよ！！」
「俺もこっち方面なんだから仕方ねぇだろ」
男の人、２人の話し声。
公園の前を通っているが草が生い茂っているし薄暗いからコッチには気がついていない。私を襲う男が私の口を慌てて塞ぎ身を小さくする。
徐々に近づいてくる２人の足音と話し声。私は体に力を入れないまま、半ば諦めモードで何となく２人組の方を見た。
私の顔の部分は、丁度草がなくて良く見える。２人組の方からすれば…多分、唯一私が見える場所。
そして、２人組の１人と…目が合った気がする。
ピタリと足を止める片割れに、もう１人の男の人も「ああ？」と足を止め片割れを不思議そうに見た。
ジッと目を凝らす彼と、数秒目が合う。
「………誰かいるのか？」
．
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なんだよたけしビビってんのか(プロフ) - 全作品絵が本当に美しくて初めて絵で感動しました。また伏線が所々あってその上感動するなんて天才... (2021年5月23日 2時) (
レス) id: dfdea40777 (このIDを非表示/違反報告)
あすか(プロフ) - タイトルの絵もなんかアニメ「ＰＳＹＣＨＯ-PATH」に絵柄が似てて感動。しかも、物語にもなんか感動した。 (2019年9月14日 0時) (レス) id: 2712192e09 (このIDを非表示/違反報告)
るみ - 終わり方最高です……！泣いた (2019年4月13日 21時) (レス) id: 4ab93c79dc (このIDを非表示/違反報告)
ﾌｧｱｱｱｱ(プロフ) - 絵がちょくちょく入ってくることによりなんか映画のワンシーンでも見ている気になりますね (2018年9月8日 15時) (レス) id: 01f6b2b9ab (このIDを非表示/違反報告)
トミ - すごく吸い込まれるようなお話で…次を読むのが楽しいです。 (2018年6月30日 23時) (レス) id: 3237980cf6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NAOKI
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/naoki-/
作成日時：2018年5月29日 17時
