目が覚めたら産屋敷邸だった件。

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御館様からの話を聞き終わった私は焦りに焦っていた。

ただでさえ目が覚めて御館様がいて自分が幼女になってるだけで驚いたのに。



(『いやっ……

なんでぇぇぇぇ？！！？なんでよりにもよって転生先の着地場所が産屋敷邸なの？！？
は！？どんないじめだよ！？！』)





産屋敷邸といえば鬼殺隊当主、産屋敷耀哉やその一族の住むお屋敷。
そこにこんなどこから来たかも自分でも分からないというヤツがここにいるとわかれば即刻追い出すし追い出されるに決まっている。






(『なのにどうして……』)


なのにどうして私をここに置いてくれているのだろう。
色々と疑問が浮かぶが、先に質問してきたのは御館様からだった。





「君はどこから来たんだい？

どうして、庭に倒れていたのかな？｣




いやそれがわからないんですよね〜はははとは言えない。


でも本当にわからない。
この世界に私の家は存在するのであろうか？両親達はいるのだろうか？









……いや、いないだろう。なぜそう言えるのか、と言われれば何も言えないが、そもそも私は転生してきた。私の存在だけこの世界に放り出されたのと同じ、と考えると、親や家はないだろう。直感的にもなぜかそう思える。


つまりぼっち。非常にまずい状況である。



(『どうしよう……ここでなんと答えるべきか。でも本当に自分のことが分からさすぎる。』)




意を決して私は御館様に言った。






『……自分のことが、わかりません。』

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