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善逸side


爺ちゃんに言われて半ば無理矢理最終選別に行った俺。


もう何回も死ぬ、と思った。


そしてまた鬼が出てきて、今度こそ死ぬんだ。そう思った、その時。


山へ入る前に1人の可愛い…美少女と言っていいほどの女の子と目が合って微笑んでくれたことを俺は思い出した。


(「あの子…結局会えずじまいだったな…最後くらい…女の子と過ごしたかった。」)

そう思っていると、目の前の鬼の首がいきなり飛んだ。

(「っ……え?!」)

呼吸を使っているように見えなかったその一瞬の出来事に言葉を失った。


ふぅ…と空を見上げ、満月の光を浴びるその女の子は、あの時の子だった。

______________________________________

この女の子、Aちゃんは、俺みたいなやつにもったいないくらいの綺麗な言葉を掛けてくる。


(「俺はそんなに綺麗じゃないんだよ。」)




「俺は爺ちゃんの期待に応えることはできない」



そう言った時のAちゃんは、綺麗で、安心する音からとても悲しい音をたてていた。


(「…なんで君がそんな音立てるの。」)





そう思っていたら、まるで抑えていたものが溢れるように、
彼女の小さい口から途切れ途切れに一生懸命話してくれた。




そこには嘘の音なんてなかった。





他の型ができないなら自分で作ることもできる、





現に呼吸を作った人間がここにいるから、





と少し複雑そうな笑みを浮かべて彼女は言った。





自分で型を作るなんて考えたこともなかったしそもそも俺なんかに作れるはずなんてないのに。





なのにAちゃんは更に俺を“芯の強いやつ”だと言ってくれた。




「……どうしてAちゃんはそこまで言ってくれるの。

…さっきまで赤の他人だったのに。」




つい責めるような言い方になってしまった。




Aちゃんはキョトンとして、ふっと笑って






『……理由なんて特にないですよ。


ただ、我妻さんが、私の作った呼吸、綺麗だって言ってくれたから。』







……それだけか。







それだけで君は他人にここまで親身になって話をしてくれるのか。





「俺はそんな態度とられていいような男じゃないよ。



女の子に騙されたって言ったけど、本当はわかってた。音で。なのに、分かってないふりをした。」






その一瞬だけでも、上辺だけでも、女の子の好意に身を寄せたかったから。








「だから、全部、俺が招いた事なんだ。」





こんな命懸けの生活も。

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ひー(プロフ) - マイケルワカメwwすごくツボww (8月2日 9時) (レス) @page1 id: c24c294ffd (このIDを非表示/違反報告)
ミク - 私も、マイケルワカメが面白かったwwww (2021年9月25日 16時) (レス) @page39 id: c0f1b840e0 (このIDを非表示/違反報告)
まーちゃん姫 - 名前のセンスがありまくりですね!尊敬をこえて讃えます。 (2021年1月9日 16時) (レス) id: cabfd4d154 (このIDを非表示/違反報告)
ぴゃさん - 焦ってる味ってどんな味なんだろ…今度友達が焦ってる時食べさせてもらおっ!← (2020年11月7日 14時) (レス) id: e5f52d7032 (このIDを非表示/違反報告)
アヤ - ぽむさん» 本当それなw (2020年6月6日 15時) (レス) id: 30bf734d60 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:タラの芽 | 作成日時:2020年5月23日 13時

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