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はぁ、とため息が零れた。今日で何回目だろうか。
あれから3日が経ったが、俺は配信部屋には近づいていないし、ツイッターにもログインしていない。
女ならまだしも、相手は男だもんな。
結局、2年記念日はどこへも行けなかった。俺が、外に出たくないと言ったから。
「大丈夫、また行こうよ」
どこまでも優しいあいつは、そう言ってくれた。
俺は、ありがとう、の言葉すら出せないまま頷くだけだった。
そうして、寝室に籠もって3日間。
担任を持っていないあいつは、休みを取ってずっと俺の傍にいてくれた。
「サーシャ、今日の昼何食いたい?」
「…腹減ってない」
「…、…いちごラテ、飲む?」
「いらない」
「そう。…ゲーム、する?」
「しない」
俺を気遣って言ってくれた言葉なのに、俺はぶっきらぼうに答えてしまった。
後悔してる、とても。
ごろ、とベッドで寝返りを打ち、3日ぶりにツイッターを開いた。
「…話していい?」
「いいよ、俺は。お前の好きにしな」
「うん」
−−−−−
葛葉@Vamp_Kuzu
夜9時、ちゃんと話します。
−−−−−
ツイートをして、スマホの電源を切った。
これで批判されたらどうしよう。そんな心配があった。
俺への批判じゃなくて、あいつへの批判。
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作者名:ヨッコラセ | 作成日時:2022年9月7日 11時