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閃ちゃんと別れて2か月。翌週にすぐに荷物を取りに来た閃ちゃんは、何も言わずに鍵を置いて行ってしまった。2人で住んでいた家だからか、どうも広くて落ち着かない。引っ越そうかな、とも思うけど、思い出が詰まったいいえだから離れたくない。
最初はさみしくて叶を家に呼んだりもしたけど、今は少し落ち着いた。家に一人でも今はそんなにさみしくない。
「んじゃ、この辺で。対あり〜」
配信を終わらせたのは午前6時少し前。この時間に配信を終わらせる理由は、今までだったら一緒に朝飯を食べるためだった。今は、なんとなく。
配信を終わらせてリビングに行けば、いつもならおいしそうな匂いと、大好きな人のおはようが聞こえたのに。今は。
「…腹、減らねぇな」
前よりも胃袋に食べ物が入らなくなり、さらにぺたんこになった腹を撫でた。
どさり、2人がけのソファに腰を下ろせば、端末を開いてTwitterで配信を見てくれた人へ、とツイートをする。
呆然と開きっぱなしのカーテンを見つめれば、しっかりしないと、と決意をしてもう一度端末を開いた。開いた先は、愛する人の電話番号。
「…もしもし、俺、あのさ」
数回コールが鳴って、結局出てもらえなかった。留守電につながったから、俺は、言葉を一つ一つ紡ぎ始めた。
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作者名：ヨッコラセ | 作成日時：2022年9月7日 11時
