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「で、僕がここでこうするから」
気付けば数か月の時が過ぎていた。俺はいつも通りの配信をしながら、たまに閃ちゃんとのコラボをする、という変わらない生活を送っていた。
それこそ最初は批判の声も多かったけど、今はそんな声も少なくなってきた。
そして、今は叶と次にやるゲームの簡単な打ち合わせ、俺の家で。
「サーシャ、叶くん、出かけてくるわ」
「あーい」
閃ちゃんがカバンを抱えて出かけると、叶が見計らったように俺を見てきた。
「ねぇ、結婚しないの?」
「…はぁ?」
「だってサーシャって家族からの愛称でしょ?閃さんに呼ばせてるじゃん」
「…そうだけど」
「したくないの?魔族って結婚できないの?」
「できるよ、できる、けど…」
そりゃ、俺だって考えたことはあるし、実際に聞いたこともある。結婚とか、どう思う?って。
でも、返ってきた答えは。
「したくなって言われた。寿命が違うから、家族になった後に残して逝きたくないって」
「…ふーん」
俺たちはあくまで恋人同士、きっとこれからもそうなんだろう。
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作者名:ヨッコラセ | 作成日時:2022年9月7日 11時